中国は近年、実体を持つ病院に基づきインターネット病院を建設し、オンライン再診サービスを展開することを奨励してきた。国務院弁公庁は2018年4月に「『インターネット+医療健康』の発展促進に関する意見」を発表した。新型コロナウイルスの対策期間中、インターネット診療は患者の医療サービスの需要を満たし、病院のオンライン・オフラインの医療サービスの圧力を和らげ、人の密集を減らし、交差感染を減らすといった面で積極的な役割を果たした。国務院弁公庁はこのほど通達した「公立病院の質の高い発展推進に関する意見」の中で、遠隔医療とインターネット診療の発展に力を入れるとした。人民日報が伝えた。
各地の公立病院が次々とインターネット病院を開設しているのは、患者にどのような実益と利便性をもたらしているのだろうか。
四川省広安市に住む女性の李さんは60代で、糖尿病を患っており、10年前に成都市第二人民病院内分泌科で糖尿病専門家の黄斌主任から治療を受けた。以前は毎月、広安から成都に列車を3回乗り換え、5時間かけて300元(1元は約17.1円)以上の交通費を支払い黄氏の診断を受けていた。そんな李さんは昨年9月、インターネット病院で受診手続きを行った。黄氏がインターネット病院で診断を受け付けるとともに、李さんの過去のカルテと医師処方箋を調べ、オンラインで電子処方箋を出し、まもなく李さんの薬が自宅に届けられた。
成都市第二人民病院のインターネット病院は、成都市で初めて運営開始された市級病院のインターネット病院だ。この病院は今年5月時点で8カ月運営しており、オンライン問診、無料相談、介護相談、スピーディな診察、電子処方箋、薬品配送などのサービスを展開している。インターネット病院は現在すでに26省(区・市)の延べ6000人近くにオンライン問診サービスを、延べ5万人近くに相談サービスを提供している。35の診療科がインターネット病院でオンライン問診を展開し、病院全体の医師438人が交代で当番になり、細切れ時間を利用し診察し、患者により多様な受診ルートを提供している。
天津市に住む女性の李さんは過去5年で流産を4回繰り返した。北京協和病院で受診したところ、ついに抗リン脂質抗体症候群と診断された。李さんは最近、天津市現地の病院で検査を受け、さらに北京協和病院のインターネット病院で再診を受けた。リウマチ免疫科の趙久良副主任医師が担当し、カルテと検査結果を調べた後、「今回の検査結果は良かった。各指標が正常で、安心してもらいたい」と伝えた。
北京協和病院のインターネット病院が今年3月、運営を承認された。現在すでに40の診療科、1200人以上の医師がインターネット診療の権限を取得している。心療内科、内分泌科、皮膚科など32の診療科がサービス提供を開始している。カルテの閲覧、オンライン問診、試験・検査、処方箋提供などの機能を持っている。
北京協和病院の主任会計士の向炎珍氏は、「インターネット病院を設立したのは、患者の利便性を高めるためだ。協和病院の患者の約6割が他地域から来ているため、インターネット診療は患者のコストを効果的に削減し、感染対策期間中に強みを発揮し、患者の途切れることのない治療を保証した」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年6月22日