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中国の宇宙ステーションでの実験は日常生活にどんな影響がある?

人民網日本語版 2021年06月24日10:58

宇宙での実験の成果が少しずつ私たちの日常生活に影響を与えている。

中国の宇宙ステーションが運営開始してから、どんな興味深い科学実験が行われるのか。航天神舟生物科技集団有限公司への取材によると、将来は宇宙生命科学とバイオ医薬品が中国宇宙ステーションの科学実験の重要な方向性の1つになるだろうという。

国際宇宙ステーションでは、すでに世界トップレベルの医療関連企業が生命科学とバイオ技術に関連した実験を行っており、そしてブレイクスルー的な研究成果を上げた。同社の呉城錦副社長は、「宇宙生命科学と宇宙バイオ医薬品の分野では、中国内外の市場の動きもニーズも非常に力強い」と述べた。

中国科学院の研究員は、「宇宙ステーションは長期的な微小重力環境、放射線量が高い環境、宇宙船外での極端な環境という実験環境を提供することができ、複数の学問分野にまたがるシリーズ化した宇宙研究を行うためのインフラを提供できる」と述べた。

実用技術がバイオ産業の発展を促進

呉氏は、「宇宙生命科学の実験は宇宙でどうやって生活するかの理解を助けるだけでなく、その成果を変換することで地球の産業にも非常に大きな価値をもたらし、疾病のメカニズムに対する科学者の理解を深め、イノベーション型の医薬品研究開発を推進できる。たとえば、メルクシャープアンドドーム(MSD)、アムジェン、メドトロニックなどの多国籍医薬品メーカーはいずれも国際宇宙ステーションで医薬品と医療機器の実験を行っている」と述べた。

呉氏は、「宇宙生命科学は人類の宇宙における活動開始、発展に伴って誕生した新興の学問であり、宇宙科学から枝分かれした重要な部分であり、宇宙科学と生命科学の学際的な分野だ」と説明した。

呉氏によれば、将来の宇宙応用研究の方向性には宇宙生命科学とバイオ技術、宇宙材料科学、宇宙応用新技術及び宇宙医学などの分野が含まれるだろうという。

同社は中国空間技術研究院と華潤集団が合弁により設立したもので、業務にはバイオ医薬品、バイオサプリ、種子産業などの分野が含まれる。2019年には、同集団が同社に8億元(約137億円)以上を出資し、宇宙バイオ技術産業に資金を投入することになった。

同社の説明によると、同社はすでに宇宙でポリペプチドの生物学的情報の宇宙空間における保存の安定性に関する実験、プロバイオティクス株の宇宙における突然変異誘発に関する実験といった非常に応用の見通しと価値を持つ宇宙空間での実験を行ってきたという。

2020年5月5日、キャリアロケット「長征5号B」が次世代の有人宇宙船のテスト宇宙船を地球の軌道に送り込むと同時に、3種類のデータを保存するポリペプチド生物学的情報記憶装置を宇宙に送り込んだ。その主な目的は記憶装置が宇宙での任務で保存したデータの安定性及び記憶装置の情報伝達の最適化の有効性を検証することにある。

呉氏は、「既存の商業データの保存技術やDNAなど他の研究開発における保存技術に比べ、ポリペプチド生物学的情報の保存技術には、データの密度が高い、保存期間がより長いといったメリットがあり、数百万年後でもシークエンスが可能だ」と述べた。

同テクノロジーは宇宙実験室のビッグデータ保存に利用でき、ビッグデータを生み出し長期間保存が必要のある政府機関と商業機関に幅広く応用できる。さらに暗号化処理が必要なデータの保存にも応用でき、中国の生物学的情報の安全に保障を提供する。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年6月24日

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