中国の有人宇宙船「神舟12号」を搭載した「長征2号F遥12」キャリアロケットが今月17日午前9時22分、酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、聶海勝氏、劉伯明氏、湯洪波氏の3人の宇宙飛行士を無事、宇宙へ送り届けた。
1992年以降、中国は「神舟」11機のほか、軌道上実験モジュール「天宮1号」、宇宙実験室「天宮2号」、無人宇宙補給機「天舟1号」、宇宙ステーションのコアモジュール「天和」、無人宇宙補給機「天舟2号」などを打ち上げてきた。宇宙ステーションの建設任務の計画に基づいて、今年と来年に、宇宙ステーションモジュールの発射3回、無人宇宙補給機の発射4回、有人宇宙船の発射4回などの飛行任務が11回実施される予定だ。2022年に軌道上で宇宙ステーションが完成すると、国家宇宙実験室として応用と発展の段階に入る。
今回、神舟12号に搭乗したのは、1964年9月生まれの聶氏(57歳)、1966年9月生まれの劉氏(55歳)、1975年10月生まれの湯氏(46歳)で、3人の平均年齢は53歳となっている。ではなぜ宇宙飛行士の年齢は高めになっているのだろうか?その主な理由は、世界の宇宙飛行士の大多数は、非常に豊富な飛行経験を持ち、非常に高い工科技術を有する空軍の最も優秀な戦闘機パイロットの中から選ばれているからだ。例えば、米国のプロの宇宙飛行士を選ぶ基準は、学部の学位を有しており、エンジニアリング、物理、数学を専門としていることで、学位が高いほど良い。そして、ジェット戦闘機の飛行経験が少なくとも1000時間以上でなければならない。
神舟12号に搭乗している3人の宇宙飛行士の訓練は6000時限を超えており、宇宙ステーション技術や船外活動、機械アームの操縦、心理、軌道上での活動、生活に的を絞って、重点的な訓練を受けている。有人宇宙飛行は中年世代の事業と言ってもよく、宇宙飛行士の最適年齢は45-55歳となっている。この年齢の人々は、幅広い知識を備えているだけでなく、感情的にも安定し、心理的素質が高く、経験も豊富で、体力も十分ある。40‐50歳の宇宙飛行士というのが最も一般的で、60歳でも老いすぎているとは言えない。むしろ20代の若者が起用されることはほぼない。
宇宙飛行士には、視力や血圧、身長などに対する高い要求があり、優れた健康な体が求められる。しかし、年齢に関する要求は特にない。これまでの人類史上最年長の宇宙飛行士は米国のジョンハーシェルグレン氏で、1998年10月に、スペースシャトルのディスカバリー号で宇宙へ出た時、すでに77歳という高齢だった。
世界では現在、多くの科学者が宇宙科学研究の重要なメンバーとして宇宙に行き、研究を実施するという傾向にあることは注目に値する。一人の科学者やある分野のベテラン研究者である以上、「非常に若い」可能性はほとんどなく、宇宙飛行士の平均年齢は今後も、高まっていくというのが必然的な流れとなりそうだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年6月22日