
世界保健機関(WHO)は30日のプレスコミュニケで、中国のマラリア排除を正式に認定したと発表した。プレスコミュニケは、「中国のマラリア感染者数が1940年代の3000万人からゼロに減少したのは、素晴らしい快挙だ」とした。
WHOのテドロス事務局長はプレスコミュニケの中で、中国のマラリア排除に祝意を表した。「中国の成功は並々ならぬものだ。これは主に中国の数十年にわたる持続的かつ正確な対策のおかげだ」と述べた。
WHOの葛西健・西太平洋地域事務局長は、「この重要なマイルストーンを達成するための中国の弛まぬ努力は、力強い政治的約束と国家保健システムの強化により、マラリアという大きな公衆衛生の挑戦に打ち勝てることを証明した。中国の成果により、西太平洋地域はマラリア排除という目標にさらに一歩近づいた」と述べた。
WHOの基準によると、ある国・地域で3年連続で土着マラリアの感染者が出ない上、マラリアの効果的でスピーディな検査・モニタリングシステムを構築し、マラリア対策プランを策定してはじめて、マラリア排除の認定を受けられる。中国では2017年より4年連続で土着マラリア感染者が報告されておらず、昨年正式に国のマラリア排除を認定するようWHOに申請した。
WHOはさらにプレスコミュニケの中で、中国のマラリア排除の取り組みと経験を詳細に紹介した。中国の科学者は生薬からアルテミシニンを発見・抽出した。アルテミシニン総合療法は現在、最も効果的な抗マラリア薬だ。屠呦呦氏はこの貢献でノーベル生理学・医学賞を受賞した。中国はまた、最も早く広く抗マラリア薬で処理された蚊帳を普及させることにより、マラリアを予防した国の一つでもある。
WHO世界マラリアプログラムのディレクターであるペドロ ・ アロンソ氏は、中国のマラリア排除の成果と経験を高く評価した。「中国は数十年にわたり模索を続け、実際の効果を上げた。また世界のマラリア対策に重要な影響を及ぼした。中国政府と中国国民の模索とイノベーションは、マラリア排除のペースを上げた」
WHOのデータによると、2019年、世界のマラリア感染者は約2億2900万人、死者は40万9000人。うちWHOアフリカ地域の感染者と死者が、世界の9割以上を占めている。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年6月30日
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