中国気象局が1日に明らかにしたところによると、中国が独自に開発した世界同化予報システム「GRAPES_GFS」がバージョンアップされた。バージョンアップ後、中国の熱帯低気圧に対する予報の範囲が、従来の北西太平洋と南中国海から世界全体に拡大された。これは、北西太平洋と南中国海以外の熱帯低気圧予報の空白を埋めるほか、中国が世界全体の熱帯低気圧モニタリング・予報サービス能力を備えたことを示している。科技日報が伝えた。
「カテゴリー4」のハリケーン「アイダ」が現地時間29日正午、米ルイジアナ州ポートフォーションに上陸した。上陸時の風速は約67m/sで、非常に強い台風レベルに相当。報道によると、アイダは米国大陸を襲った史上5番目に強いハリケーンだ。「GRAPES_GFS」を利用することで、中国気象局は初めて中国以外の海域に影響を及ぼす熱帯低気圧を予報した。
予報範囲拡大のほか、バージョンアップ後の世界モードは熱帯低気圧の予報能力がさらに向上した。研究開発チームは4次元変分同化システムにより新たな渦巻初期化技術を発展させた。過去の時間間隔の大きい熱帯低気圧データを1時間毎のデータ情報に細分化し連続同化することで、熱帯低気圧の進路の予報の誤差が著しく低減し、予報能力が大幅に向上した。またバージョンアップ後の世界モードはさらに、熱帯低気圧の還流条件が弱まった、または底部の状況が複雑な際の「台風の目」の識別や測位が困難という問題を解決し、熱帯低気圧の進路の予報能力がさらに向上した。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年9月2日