「今年の冬に新型コロナウイルス感染が再拡大する可能性がある」と、25日開催の「2021中関村フォーラム『第2回世界科学・生命健康』フォーラム」で、ある専門家がそのように述べると、聴衆は大きく息を吸った。科技日報が報じた。
資料写真、張伯礼院士
その予想について、中国工程院の張伯礼院士は取材に応じた。「現状からして、デルタ株が優勢になっており、感染力が非常に強い。1人から数人、ひいては数十人に感染し、感染ペースも速い。世界を見ると、新たな波が発生している国がたくさんある。第三波の国もあれば、第四波の国もある。中国は厳格な水際対策を講じているものの、国の扉を完全に閉めることはできず、帰国する人も増加している」と指摘。
「そのため、専門家が上記のような予想をしているのは正しい。今年の秋から冬にかけて、厳格な対策を徹底しなければならない。散発的に感染が起きることや局地的に爆発的な感染拡大が発生するのをゼロにすることはできないため、警戒を高める必要がある」との見方を示した。
どのような対策が必要か?
張院士は、「ワクチン接種を強化しなければならない。ワクチンのウイルス感染に対する保護効果はある程度弱まっているものの、重症化や死亡を防ぐうえでは、依然として高い効果がある。その有効率は80—90%だ」と指摘する。
ブースター接種は必要か?
中国疾病予防管理センター免疫プログラムセンターの尹遵棟センター長は、「中国がブースター接種を検討しているのは、海外からの流通の危険にさらされている税関や出入国検査、航空、隔離施設、感染症指定病院などのスタッフのほか、免疫機能が低いグループ、60歳以上の高齢者など、さらに、仕事や勉強、交流などのために、海外のハイリスク国・地域に行く必要がある人などだ。それらの人々を対象に、接種完了から半年後に、ブースター接種を展開することができる」としたうえで、「ただ、全国民を対象にしたブースター接種展開にはさらなる研究が必要。感染拡大の状況に合わせて、総合的に検討、判断しなければならない」との見方を示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年9月28日