繰り返しとボトルネック どちらも逃れることはできない
若思さんは「サラリーマン時代」に別れを告げ、オンラインの心理カリキュラムで起業することにした。
若思さんは、「新しい戦場に立って行う繰り返しの作業とぶち当たるボトルネックは、どちらも避けられないもので、苦しみの色合いと味わいが変わっただけに過ぎない。『再起動』をした最初の4ヶ月間、すっかり『生まれ変わったような』、『思いのままに成長していけるような』興奮に包まれていた。しかし半年後、それまでずっと順風満帆で進んでいた船が、ついに向かい風の中を進まざるを得なくなった」と振り返った。
ある先輩からは、「今回の『再起動』は自分を軸にして展開した事業計画なのだから、見込み違いだったからとか面白くないからといった理由で軽々しくひっくり返すようなことはしてはいけない」と言われた。若思さん自身も、今の仕事はよくよく考えて開拓し耕してきた「長期的コンフォートゾーン」なのだと気づいたという。
「頑張って成功した」姿を見ると、私たちもそうなりたいと引きつけられる。しかし汪さんは、「これはそれに続く新たなサイクルの始まりでもある。自分の能力を絶えず強化し、挑戦できるレベルになれば、余裕が出てくるが、その次の一歩を踏み出す力はおそらく今の仕事での要求や挑戦を上回るものになるかもしれない。こうして再び今の仕事の『コンフォートゾーン』に入り込むことになり、それまではあったコントロール感も退屈なものに変わるかもしれない」と指摘した。
汪さんから見ると、冒険と「コンフォートゾーン」は対立関係にあるのではない。自分の仕事がいつも変わりばえしないとしても、毎日違ったやり方をしてみたり、精度をより高めることはできる。「コンフォートゾーン」を飛び出すことは成長だと言えるが、とどまることも冒険であり、自分への挑戦だと言える。体を鍛えるのにトライアスロンをする人もいれば、一階に降りて散歩をするという人もいる。それぞれ自分に合った成長ルートを見つけることこそが最も重要だ。(編集KS)」
「人民網日本語版」2022年2月28日