「ほら!出てきた、右舷にいる!」。広西壮(チワン)族自治区北海市海警局海城第二活動ステーションの法執行者が13日午前、潿洲島沖でパトロール任務を遂行しているところ、捕食中のニタリクジラと偶然に遭遇した。
ニタリクジラは国家1級重点保護水生野生動物で、生息する海域の水質に敏感だ。北海市の生態環境の持続的な好転に伴い、ここに居を構える希少動植物種が増え続けている。
北から南へと北海市街地を流れる馮家江は、中心市街区域で最大の水系だ。その河口の東は北海金海湾マングローブ生態観光エリアとつながり、西は北海銀灘国家観光リゾートエリアと接しており、「北海の緑の肺」とも呼ぶべきだ。
北海市は2018−21年にかけて25億元(1元は約19.6円)を投じ、浜海複合湿地生態系の特徴と結びつけ馮家江川流域の生態修復を行った。マングローブや干潟、砂浜を利用し、馮家江流域生態修復プロジェクトは完全で安定的な海岸帯生態保護地帯を形成した。生態安全を守った上で、北海は同プロジェクトを開放的な都市中央公園緑地にしている。馮家江流域生態修復プロジェクトは2021年、中国生態保護・修復の10大典型例に選ばれた。
北海市党委員会書記の蔡錦軍氏は、「マングローブ林は、北海市の美しい風景となっているだけでなく、生物多様性の保護、海洋自然災害の防御、沿岸部の生態環境の改善に対しても重要な役割を担う」と述べた。北海市は2017年以降、マングローブ造林・修復プロジェクト、マングローブ義務植樹活動、現地修復などにより、マングローブの面積を127.11ヘクタール増やした。21年末現在の現地のマングローブの面積はすでに4210.99ヘクタールにのぼり、広西チワン族自治区全体の45.1%を占めている。
広西海洋環境モニタリング中心ステーションの作業員が9日、広西チワン族自治区合浦県英羅マングローブ保護区の潮間帯の干潟から、「白辺側足海天牛」を発見した。広西チワン族自治区でこの種が確認されたのは初めてでもある。同ステーションのシニアエンジニアの劉勐伶氏は、「マングローブ地帯は生物多様性が非常に豊富で、白辺側足海天牛もその一部だ。マングローブはその天然の保護施設だ」と述べた。
近年、北海市の湿地の生物多様性がますます豊富になっている。沿岸の干潟で生息する底生生物の種類は2017年より前の66種から153種に増加した。河口地帯ではカブトガニやアオウミガメなどの希少海洋動物が発見された。北海が21年に記録した鳥類は467種で、17年より12種増加した。その中には多くの国家1・2級重点保護野生鳥類が含まれていた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年4月28日