交通輸送、水文モニタリング、気象予報、電力調節、災害救助・減災、公共安全…これほど多くの分野に跨り主役を務めるのはどのようなシステムなのだろうか。
7月31日は北斗3号グローバル衛星測位システムの完成・開通2周年だ。北斗3号システムは過去2年間にわたり安定的に運行し、すでに世界の120以上の国・地域で応用されており、億単位のユーザーにサービスを提供している。最近、管理チームは北斗測位システムのグローバルサービス性能をさらに最適化するため、北斗衛星システムの軌道上ソフトアップデートを行った。北斗3号グローバル衛星測位システムには衛星が何基あるのだろうか。どれほど多くのサービスを提供できるのだろうか。私たちの日常生活にどのような利便性をもたらすのだろうか。ソフトアップデート後にどのような優位性があるのだろうか。
■北斗3号グローバル衛星測位システムのメンバー数は?
北斗3号グローバル衛星測位システムの軌道上で運行しサービスを提供中の衛星は計45基で、うち北斗2号衛星は15基、北斗3号衛星は30基。北斗システムは現在、安定的に運行しており、世界範囲の測位精度は約1.52メートル、垂直測位精度は約2.64メートル、スピード測定の精度は0.1メートル毎秒以下、時報の精度は20ナノ秒以下。
その関連製品は現在すでに、交通輸送、海洋漁業、水文モニタリング、気象予報、地理情報・測量、森林防火、電力調節、災害救助・減災、緊急捜索救助などに用いられ、社会の生産と日常生活の各方面に関わっている。
■北斗ショートメール通信機能の優位性は?
7月30日の北斗3号ショートメール通信サービス成果発表会で明らかになったところによると、北斗独自のショートメール通信機能が初めてスマートフォンに導入された。これはショートメール通信サービスが業界応用から一般応用への新たな段階を迎えたことをも示している。
ショートメール通信はその他のグローバル航法衛星システムにはない北斗システムの特色サービスだ。ショートメール通信サービスは中国及び周辺諸国・地域をカバーしており、低コスト、広カバー、高信頼性、随時接続などの特徴を持つ。地上移動通信ネットワークを効果的に補完し、地上ネットワークにカバーされていない地域の緊急通信、捜索・救援などのサービスの需要を満たす。
それでは北斗ショートメール通信機能のスマホ導入成功により、人々の生活にどのような変化が生じるのだろうか。
北斗ショートメール通信ベースバンド一体化チップが搭載された携帯電話は、北斗システムから送られてきた情報により文字を表示するほか、情報が発信された時の位置を正確に表示する。
■ソフトウェアアップデートの進捗は?アップデート後の変化は?
管理チームは北斗衛星システムの軌道上ソフトウェアウェアアップデートを行っている。これは主に北斗システムの偶発的な故障をさらに減らし、技術のアップデートを実現し、衛星の軌道上における安定運行性能と異常処置能力を高めるためだ。
アップデートは現在順調に進んでおり、全体的なソフトウェアアップデート任務は今後3ヶ月ほど続く。
北斗3号グローバル衛星測位北斗大規模応用は現在すでに、市場化、産業化、国際化発展の鍵となる段階に入っている。北斗システムに基づく土地権利確認、精密農業、スマート港などのソリューションがすでにアジア、東欧、アフリカなどの各国の経済・社会の発展に寄与しており、北斗製品はすでに世界の半数以上の国・地域で応用されている。
■中国の北斗産業体制の規模は?
中国衛星測位協会は今年5月に「中国衛星ナビゲーション・位置情報サービス産業発展白書2022」を発表した。同白書によると、2021年の中国の衛星ナビ・位置情報サービス産業の総生産高は前年比16.29%増の4690億元(1元は約19.7円)にのぼり、中国は北斗産業体制をほぼ形成した。将来、北斗衛星測位システムのアップデート作業が完了した後、より安全、安定的で信頼できる性能が、私たちの生活の各方面に寄与することになるだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年8月1日