10年の前期研究を経て、浙江省寧波市と舟山市を結ぶ海を跨ぐ「甬舟鉄道」の工事が今月2日、全線で始まった。完成すると、さまざまな「世界一」記録が誕生することになっているほか、浙江省の「全ての市に高速鉄道を開通させる」という目標の「最後のピース」が埋まることになる。人民網が報じた。
本線の全長が76.396キロの「甬舟鉄道」は、寧波東駅と舟山市の金塘島、册子島、舟山本島などを結ぶ計画。設計速度は時速250キロで、7駅が設置されている。
約77キロにわたる「甬舟鉄道」には、大・中規模の橋36基、トンネル17本が設置され、高架や橋、トンネルの割合は90%を超えることになっている。同路線は、順に「金塘水道」、「西堠門水道」、「桃夭門水道」、「富翅門水道」を跨ぎ、海を跨ぐ区間は合わせて10キロとなる。
山と海ばかりの場所に鉄道を敷設することはどれほど難しいことなのだろうか?中鉄第四勘察設計院・甬舟鉄道プロジェクトマネージャーの侯斌氏によると、寧波市と舟山市を結ぶ鉄道の前期研究だけで10年の月日を費やしたという。
世界最長の海底トンネルと橋が誕生へ
中鉄第四勘察設計院で甬舟鉄道の金塘海底トンネルの設計を担当する劉岩氏によると、全長16.18キロの金塘海底トンネルは、港珠澳大橋(香港・珠海・澳門<マカオ>大橋)のトンネルよりも10キロ長く、世界最長の海底高速鉄道トンネルとなる。港珠澳大橋の海底トンネルの全長は6.7キロで、沈埋トンネルに属する。一方、金塘トンネルは高速鉄道シールドトンネルで、全長の5分の1が海底にある。
つまり、金塘海底高速鉄道トンネルの建設は、港珠澳大橋の海底トンネルよりも難度が高いということになる。そしてこの海底トンネルを時速最高250キロで列車が通過することになる。完成すれば寧波市から舟山市までの所要時間がわずか30分になる。
西堠門大橋の完成予想図。
径間長1488メートルの西堠門鉄道道路併用橋は、甬舟鉄道と甬舟高速道路の複線が西堠門水道を跨ぐ鉄道道路併用橋。中鉄第四勘察設計院で西堠門大橋の設計を担当する王鵬宇氏は、「完成すると、世界最大の鉄道道路併用橋となり、中国の鉄道架け橋の長さが1000メートル級から1500メートル級へと伸びることになる」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年11月4日