21日は伝統行事「竜抬頭」の日 「竜」の由来とは?

人民網日本語版 2023年02月21日16:47

竜をデザインした氷の彫刻(資料画像、撮影・曹坤)。

旧暦2月2日(今年は2月21日)は、中国の伝統的行事「竜抬頭」の日。この日は、農業においても重要な象徴的意義を具えており、大地に再び春が訪れ、万物が生気にあふれ、田畑では農作業が始まる頃となる。中国新聞網が報じた。

対外経済貿易大学・中文学院の講師・趙運涛氏は、「竜抬頭の由来は、自然の天文現象と関係がある。竜舞や芝居、各種縁日など、竜抬頭の日に行われる行事も様々だ」と紹介する。

「竜抬頭」を祝う食べ物をめぐる習慣もユニークだ。例えば、北京の人々は、「竜の鱗」を食べるという意味を込めて「春餅」を食べる。また、「竜のひげ」を食べるという意味を込めて麺類を食べる地域や、「竜の耳」を食べるという意味を込めて餃子を食べる地域、「竜の目」を食べるという意味を込めてワンタンを食べる地域もある。

上海市や江蘇省といった地域では、この日に撑腰糕(餅菓子)を食べると、その先1年間腰が痛くなることがないとされている。また、からし菜のお粥を食べると、視力が良くなり、吹き出物ができないとされている地域もある。

竜舞(資料画像、撮影・陳鑫)。

昔の人々は、「旧暦の2月2日」は、田畑を耕し始める日としており、豊作の吉兆を願い、民謡では「2月2日に竜が頭をもたげ、雨をもたらし、豊作」になると歌っている。南方エリアでは、土地の神が祀られ、儀式こそさまざまであるものの、同じく豊作を祈る。

旧暦2月2日に散髪をすると幸運に恵まれるという言い伝えから屋外で散髪する北京の市民(資料画像、撮影・侯宇)。

自然や天文現象への崇拝が起源?

中国で「竜抬頭」は重要な伝統行事の日。それは、自然の天文現象を崇拝する習慣に起源を発するという説もあり、古代の人々の星の運行に対する見方や農耕文化と関係があると言われている。

中国で天球を28のエリア(星宿)に不均等分割した「二十八星宿」において、「東方七宿」は、「角」、「亢」、「氐」、「房」、「心」、「尾」、「箕」からなり、竜の全体像がイメージされている。陰陽五行思想の配色では、東方は木に属し、青色で表され、「青竜」、「蒼竜」と呼ばれている。

そして、地平線上に少しずつ竜の「角」が現れると、春が到来したことを意味し、「竜が頭をもたげ(竜抬頭)」始める日と言われるようになった。

つまり、「蒼竜七宿」は、冬の間、地平線の下に隠れており、旧暦2月2日以降、夕方になると、「角宿」が東の地平線に現れるようになるものの、その体の部分は依然として、地平線の下に隠れているため、竜が頭をもたげているように見えるのだ。

趙氏は、「竜には吉兆を願うたくさんの思いが込められている。昔、厳粛な礼法・礼式の制度があったが、庶民は竜を好み、崇拝し続けた。そして、祝祭日や行事に『竜』が必ずと言っていいほど登場する。例えば、元宵節(旧暦1月15日)の『竜灯』、『竜舞』、旧暦2月2日の『竜抬頭』などだ」としている。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年2月21日

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