博物館を見学してその地域の過去と現在に対する理解を深め、歴史の移り変わりを肌で感じる。昔ながらの街並みが残る場所を散策して、現地の人的・文化的雰囲気を味わい、人情味あふれる現地の独特な情緒をじっくりと体験する。そんな文化観光の人気が今、中国でますます高まりを見せている。中国青年報が報じた。
中国青年報社・社会調査センターがこのほど、青年2134人を対象に実施した「青年の観光意欲」に関する調査では、中国の青年が旅行中に最も注目している文化的要素は、風習や無形文化遺産であることが分かった。回答者の92.7%が「旅行は祖国の自然を知り、見聞を広める重要な手段」との見方を示した。
青年9割以上が「旅行で現地の文化要素に注目」
北京で働く楊樺さんは少し前、陝西省西安市に旅行に行ったといい、「文化的ムードが漂い、深みある歴史がある都市が好き。それが旅行先を決める時にまず考えることだ。中国古代の諸王朝の都となった古都・西安では至る所で歴史の名残を感じることができる。こうした要素が西安の情緒を高めている」と語る。
調査では、回答者の9割以上が旅行中に「現地の文化的要素に注目する」と答え、「注目しない」という回答はわずか0.9%だった。何に注目するかに関して、66.6%が「現地の風習」、53.8%が「現地の無形文化遺産」、50.1%が「現地の歴史」と答えた。
「旅行は視野を広げるだけでなく、新たな友だちと知り合う重要な機会に」
95後(1995-99年生まれ)の張子敏さんは、「旅行に行ったら、必ず現地の博物館を見学する。それはその街の『過去』であり、『未来』とも繋がる場所。普段の生活圏から出て、精神的にリフレッシュするというのが旅行の意義。旅行中の一つ一つのエピソードも、素敵な思い出になる」との見方を示す。
調査では、回答者の92.7%が「旅行は祖国の自然を知り、見聞を広める重要な手段」と答えた。
湖北省武漢市の大学院に通う00後(2000年以降生まれ)の楊万淑さんは、「旅行中、一緒に行っていた友達が言った『たくさん本を読み、たくさん旅をして、たくさんの人と会わなければならない』という言葉に感動した。旅行ではいろんな人と出会う。偶然の出会いから新しい友達ができることもある。恩施土家(トゥチャ)族苗(ミャオ)自治州を旅行していた時に、友達ができた。会話をしているうち、隣の学校の学生であることが分かり、とても不思議な縁を感じた。今後一緒に旅行に行く約束もした。私にとって、旅行は視野だけでなく、交流の輪を広げ、友達を作る重要な機会ともなる」と語る。
今回の調査の回答者のうち、在校中の学生が20.0%、フルタイム労働者が62.5%、個人事業者が6.8%、フリーランサーが8.9%だった。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年5月19日