习专栏

新エネルギー車に続き、新エネルギー列車も到来か?

人民網日本語版 2023年05月26日08:38

新エネルギー車は今や誰でも知っているが、新エネルギーで電化鉄道の運行をサポートすることは、かつては考えられないことだった。この「不可能に思える」鉄道の電力供給方法が中国で現実になろうとしている。中国科学報が伝えた。

国能新朔鉄路有限責任公司はこのほど、「鉄道交通『網・源・蓄・車』協同エネルギー供給応用技術研究」プロジェクトの公開入札を行った。新準鉄道で太陽光発電・エネルギー貯蔵装置と接続し、中国初の新エネルギーをエネルギー供給の主体とする牽引変電所を完成させる。

現在、中国の電力網の約70%が火力発電だ。「ダブル炭素(二酸化炭素<CO2>排出量ピークアウト・カーボンニュートラル)」の戦略的目標の下、電力網がクリーンエネルギーへのモデル転換を開始し、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを導入している。

北京交通大学電気工程学院の呉命利院長のチームと新朔鉄路電力供給分公司が共同開発した「網・源・蓄・車」協同エネルギー供給技術は、実際には公共電力網、再生可能エネルギー発電、蓄電池、列車の4要素の相互作用を通じ、鉄道沿線の再生可能エネルギーを現地で開発、利用する。

■鉄道運行の支出を減らす

250km/hで運行する8両編成の高速列車の電力消費量は5000kWh近くにのぼり、350km/hに達するとほぼ倍増する。電気料金は常に高速鉄道の運営コストの大きな支出となっている。統計によると、中国の鉄道交通の年間電力消費量は1000億kWhを超える。

変電所1基の建設には約2000万元(1元は約19.7円)かかる。電化鉄道の外部電源の建設費は鉄道電力供給施設の建設費と同等か、それを上回ることもある。

新エネルギー電力供給を採用すれば、鉄道はこれほど高額の電気料金と建設費を必要としなくなる。呉氏は、「我々の試算によると、新エネルギー電力供給は約10年でコストを回収できる。そして新エネルギー電力供給設備の耐用年数は通常15−20年だ。建設費が割安で、自身の資源が豊富で、変電所拡張の縛りを受けないことから、鉱山鉄道はすでに新エネルギー電力供給に対して歓迎の意を示している」と述べた。

この「ダブル炭素」戦略に合致するソリューションに対して、中国は欧州やインドと競争している。ドイツ、スペイン、日本の新エネルギー電力供給は主に駅の照明などを対象としている。現在新エネルギーを電化鉄道に直接供給している唯一の国はインドだ。インドのバーラト・ヘビー・エレクトリカルズ社は1.7MWの太陽光発電所を鉄道とつなげ、鉄道の牽引システムに直接電力供給している。

だがインドのこの太陽光発電所は補完に過ぎない。呉氏は、「新準鉄道での試行プロジェクトはエネルギー供給の補完だけでなく、完全に変電所の代わりになり独自に電力供給を行える。これは世界初の模索だ」と述べた。

呉氏は取材に対し、中国では現在すでに10万キロメートルの電化鉄道があるが、電力網の脆弱な地域では新エネルギー電力供給による鉄道新設がより適している。例えば川蔵鉄道は現地の太陽光や風力をフル活用できる。また再生可能エネルギーが豊かな地域では、既存の鉄道牽引電力供給システムも新エネルギーを導入し、クリーンエネルギーの割合を上げ、徐々に電化鉄道のエネルギーモデル転換を実現できる。

■新エネルギーによる鉄道への電力供給の信頼性は?

電化鉄道の運行には多くの電力が必要であるが、新エネルギー電力供給で賄えるだろうかと疑問を抱く人も多い。

北京交通大学電気工程学院の楊小兵教授は、「鉄道輸送には間欠の特徴がある。つまり鉄道上を常に列車が走行しているわけではない。特に過疎地では1日に7、8往復のみの可能性がある。変電所は列車が走行しない間にエネルギーを蓄え、列車が走行する時にサポートする。再生可能エネルギー発電とエネルギー貯蔵の比率を巧みに調節すれば、新エネで十分に鉄道運行を支えられる」と指摘した。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年5月26日

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