日本の持続的な巨額の貿易赤字が注目を集めている。今年3月末までの2022年度に、日本の貿易赤字は21兆7300億円に達して過去最高を更新した。最新のデータによれば、5月の貿易赤字は1兆3700億円で、2021年8月から22ヶ月連続で赤字が出現した。かつての「黒字大国」に一体何が起きたのか。
赤字を招いた最も直接的な原因は外部環境に起こった非常に大きな変化だ。
第一に、国際商品市場が価格上昇サイクルに入ったことがある。21年初めより、エネルギー価格が複数の要因の影響を受けて急速に上昇した。この背景の中、日本の貿易黒字が輸入価格の上昇にともなって縮小を続けた。同年8月には、輸入額が輸出額を抜いて、貿易赤字が出現。昨年2月にウクライナ危機が起こると、国際商品市場では価格がさらに上昇し、日本の貿易赤字は急激に拡大した。
第二に、日本の金融政策が世界の主要中央銀行と逆の政策をしており、日本円が大幅に値下がりしたことがある。
第三に、巨額の貿易赤字は円安を加速させ、日本の貿易収支の改善を難しくする原因の一つになっている。多くの専門家が、巨額の貿易赤字が続いたため、市場では円売り・ドル買いのニーズが高止まりし続け、円安-貿易赤字-円安の悪循環が起きていると指摘する。
こうしたことの根本的原因を考えると、日本の貿易赤字には輸出の伸び悩みと輸入への依存度の高さという構造的原因がある。
現在の状況を見ると、国際市場でのエネルギー価格の下落にともなって、日本の貿易赤字は徐々に縮小している。しかしメディアと関連機関は、「日本の貿易構造が国際市場に依存している局面を変えることは難しい。海外での需要が低迷しているため、短期的には日本の輸出が引き続き圧力を受け、貿易赤字は今後しばらく続くだろう」と見るのが一般的だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年6月19日