監督チャウ・シンチーの素顔 新作映画の主演俳優が語る (3)
■マスコミが作り上げたイメージと異なるチャウ・シンチーの素顔
ここ数年の間、チャウ・シンチーの友人やビジネスパートナー、恋人でさえ、様々な理由で彼のもとを離れていった。多くの映画で協力してきたビジネスパートナーが言うには、チャウ・シンチーは映画の撮影では横暴で独裁的な暴君だという。ウェン・ジャンも以前、メディアの報道はチャウ監督の誤ったイメージを作ってきたと率直に語る。「これまで、僕自身もチャウ監督のイメージに対して若干先入観を持っていた。初めてチャウ監督と会ったときも、やはりまだ遠慮があって、チャウ監督のことを、まだそこまで深くつかめなかった。
でも、いざ撮影が始まると、チャウ監督は報道の中の人物とはまるで違うことがわかってきた。チャウ監督はすごくコミュニケーションがとりやすい人で、とても話し上手だった」。チャウ監督の名誉回復のためにさらにウェン・ジャンは付け加えた。「しかも、チャウ監督はすごくよく笑う人で、いつも我々役者をご飯を食べに連れて行ってくれ、とてもフレンドリーな人だった。もしかしたらチャウ監督は変わったのかもしれない。もしくは以前の報道が誤りだったか、僕がすごくラッキーだったのか、どちらかだ」。
また、チャウ・シンチーはすごく役者を励ましてくれる監督だったという。「撮影時は、まず自分がチャウ監督に3つか5つのパターンの演技を見せる。その後、チャウ監督が自ら演じてみせる。すると、自分が監督に見せた演技はどれも今ひとつだと気付く。その後、一緒に話し合いながら、それぞれの意見をすり合わせて最もいい方法を見つける。チャウ監督はその過程ですごく役者を励ましてくれたし、さらに多くのアイデアや可能性を与えてくれた」。