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成功を焦る中国アニメ 「慌てない慌てない」 (2)

 ■大人が子供を連れてくる米国式興行モデルに変換させる

 多くの中国の観衆は「国産アニメは幼稚すぎて、大人が見るにはふさわしくない」というイメージを抱いていた。しかし、近年の国産テレビアニメ「喜羊羊(シーヤンヤン)と灰太狼(ホイタイラン)」や「熊出没」、「巴拉拉小魔仙」などの成功により、たとえ子供だけが見たいアニメでも、大人も一緒に付き添って見に来るという、子供が大人を引っ張ってくる興行モデルの可能性を証明した。しかし、このパターンの成功は現在ますます難しくなっている。この興行モデルがはらむ問題は徐々に明らかになってきており、大人はますます子供と一緒にアニメを見ることを望まなくなっている。

 「これは、日本の興行モデルと米国の興行モデルの違い」と博采伝媒有限公司の広告事業部長の章子華氏は指摘する。現在の中国アニメの発展は日本をモデルとしたもので、ほとんどがテレビアニメからスタートし、圧倒的な量で人気を高めていき、そこから他の商品へと派生させる。この場合、多くのアニメ映画の成功は映画の質とはあまり関係がなく、ファンを引き込む販売スタイルで興行収入を得る。しかし、米国の場合は多くのアニメが手間隙かけて精緻に作られた大作映画から始まる。その後、人気を得たら、テレビアニメなど他の分野で商品化していく。 子供は比較的「数」に影響され、大人は「質」や子供への影響を重視する。このため、中国アニメが健全に成長するためには、モデルを返還させる必要がある。質の高いアニメを製作して、大人を引きこみ、それと同時に子供も引き込む。

 このような構想の下、章子華氏の製作会社は国産3Dアニメ映画「昆塔」を打ち出し、先進的な国際モデルを試すとともに、さらに自身の強みを加えて強化させ、一流の製作チームを使って高水準の大作アニメを作り上げた。同アニメは杭州アニメ祭で予告編を初公開し、一躍各方面から注目を集めた。

 ■優れたアニメを優先して放映する制度の確立に向けて

 現在、中国のオリジナルアニメを製作している企業の収入の6割はテレビアニメの放送料が占めている。国家新聞出版広電総局の調査・研究と予測によると、全国の各テレビ局が1年にテレビアニメを購入する費用は総額計5000万元(約8億2800万円)に満たないという。

 国家新聞出版広電総局宣伝管理司の高長力・司長は「政府は今後、各テレビ局が優れたアニメを選んで優先的に放映することを奨励するため、一連の制度を制定する予定」と明らかにした。▽テレビアニメを扱う放送局や視聴者代表が毎シーズンの優秀アニメの審査業務にかかわり、アニメ児童チャンネルの考査基準に優秀アニメの比率を盛り込み、放送局が無料または有料で質の悪いアニメを放映することを禁止する▽放送局に対し、一定比率の広告収入をアニメの購入に充てることを求める▽衛星総合チャンネルがその視聴者層にふさわしいアニメ作品を放映することを奨励する▽学校などの休暇期間にアニメ映画を公開することを奨励し、優れた国産アニメ映画のシェア拡大を促す-----。

 各プラットフォームが優れたアニメ作品を優先的に放映する制度が確立できれば、各地方政府がアニメ産業の発展を推進するため、奨励・実行する政策が真の意味で優れたアニメを放映することを奨励する制度に変わるだろう。また、企業を報償する際、受賞状況などの評価指標を適切に取り入れることで、今後、優れたアニメ作品作りを奨励する上で、重要な効果をもたらすことができるだろう。(編集MZ)

 「人民網日本語版」2013年5月30日

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