日本発祥の「五月病」、中国のネット上でも固有名詞化
中国のネット上で大いに話題となっている「五月病」を、怠ける口実にしてはならない。「五月病」と「5月」は、本来は一切関係がない。新浪微博(ミニブログ=中国版ツイッター)には、最近の自分の様子を「五月病」と結び付け、気分の落ち込み或いはやる気の無さは全部「五月病」によるものだという内容の投稿が激増している。 「五月病」という言葉は、もともとは日本で生まれたもので、新学期・入学・入社などで環境が変わることと関係がある。南京脳科医院の専門家は、「自分は五月病だと簡単に自己診断しないこと。季節の変わり目こそ、身体を動かす機会を意識的に増やし、ネガティブな気持ちを減らすことが正しい対処法だ」とアドバイスしている。揚子晩報が伝えた。
○気分が落ち込む人が増える5月
「5月になると、何かにつけ気分がむしゃくしゃしてしまう」--南京の大学に通う黄衛さん(4年生)は、卒論答弁を終え、深く長い溜息をついた。大学院生の卒論は抽出検査だが、学部生の卒論は全てくまなくチェックされる。担当教員から連日のように修正を指示されるが、実習先の企業の仕事も疎かにはできない。「微博では皆が『五月病』について話題にしているが、僕にとって、5月の憂鬱は、論文提出期限が原因だ」と黄さんは自己分析した。
卒業を控えた学生のほか、多大な仕事上のストレスの「標的」となったホワイトカラーの間でも、「五月病」は蔓延している。「5月は特別悲惨な時期で、やるべきことが山積みなのに、集中力が途絶えやすい。昨日、ハイヒールを履いて屋外のイベントに出向く途中、ボーっとして歩いていたために転び、膝を怪我してしまいました」とある女性は語った。
「五月病」が蔓延する中、新浪微博で人気者となった「巨大アヒル」も、不幸にもその「標的」となった。14日夜、香港ビクトリア・ハーバーで12日間漂流していた巨大アヒルから空気が漏れ出し、だんだんと萎み、ついには水面にぺしゃんこになって浮かんだ。ネットユーザーからは、「巨大アヒルさえ五月病になってしまった。一体どうやったら治せるのだろう」といったコメントが寄せられた。
○微博で固有名詞になった「五月病」
「五月病」は、微博で固有名詞という身分を獲得、次のように解釈されている。
「五月病は、季節性怠惰症候群とも呼ばれる。この時期、多くの人が落ち込みややる気のなさを感じ、仕事や学業のスムーズな遂行に支障が出るだけではなく、一日中倦怠感が続き、何事にも興味が感じられなくなる。やるべき事は増える一方なのに、何をする気も湧いてこない。気分は落ち込む一方で常に元気が出ない」。