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金正恩氏の特使訪中の二大注目点

 朝鮮の最高指導者・金正恩氏の特使である崔竜海氏が22日、訪中のため特別機で平壌を発った。李永吉人民軍上将、金成男労動党中央副部長、金亨俊外務次官、金秀吉人民軍中将、その他関係幹部が同行。崔氏は北京到着後、王家瑞中共中央対外連絡部長(全国政協副主席)と会見した。国際金融報が伝えた。

 崔氏訪問の目的と日程は公表されていない。朝韓問題の専門家は「中朝関係改善、朝韓対話を含む最近の焦点が議題となるが、交流と意思疎通の契機としての意味合いの方が強く、1回の訪問で突破口が開かれることを期待するのは現実的でない」と指摘する。

 ■注目点1:膠着状態は緩和されるか

 朝鮮が中国に特使を派遣するのは金正恩政権発足後初。高官の派遣も昨年8月の張成沢国防委員会副委員長以来9カ月ぶりだ。崔氏は1950年生まれ。故・金日成主席と共に抗日運動を行なった崔賢元人民武力部長の次男で、現在朝鮮労働党中央政治局常務委員、党中央軍事委員会副委員長、朝鮮国防委員会委員、人民軍総政治局長、次帥。2007年に金正日氏に随行して韓国の盧武鉉大統領(当時)と会見。最近も金正恩氏に随行して様々な視察や重要活動に参加している。

 「崔氏は金正恩政権の重要人物であり、今回の訪中を朝鮮側が重視していることは明らかだ」。復旦大学韓国研究センターの石源華主任は「特に注目に値するのは今回朝鮮が崔氏を派遣し、中国側も受け入れて、双方共に意思疎通を行なう意向があるということだ」と指摘。「昨年8月末の張国防委員会副委員長以降、朝鮮側は高官を中国に派遣していない。また、その後朝鮮が核実験を行ない、国際社会の強烈な反対に遭い、国連決議に違反したことで、中朝関係は正常な上層部交流が行なわれない状態に陥った。中国と朝鮮は伝統的友好国だが、中朝関係が膠着状態に陥ったことで、双方は接触して意見を交わす必要性を認識した。崔氏の訪中が本決まりとなったのはこのためだ。だが今回の訪中でどの程度まで話が進むかはなお見守る必要がある。朝鮮にとって核保有は核心的利益であり、核武装は『断じて放棄するわけにはいかない民族の切り札』と考えられている。一方中国は朝鮮半島を非核化し、朝鮮の核保有に反対するとの基本的立場を一貫して堅持している。だがいずれにせよ崔氏の今回の訪中は双方の理解強化に資する」と説明した。

 注目に値するのは、毎年春と夏の変り目は朝鮮にとって食糧が最も不足する時期だということだ。4月には朝鮮がモンゴルに食糧援助を求めたとの情報があった。数日前に朝鮮は相次いで短距離ミサイルの発射実験を行なったが、これは国民の不満をそらし、経済的困難の非難の矛先を米韓に向けることが目的の一部と見られている。石氏は「中国は長年朝鮮に食料援助を行なっており、今回の訪中でも援助を求める可能性がある。だが朝鮮の核実験実施後、中朝の認識は一様ではなくなった。こうした中、食糧援助は朝鮮側との接触時の1つのカードとなりうる。このほか、先日中国漁船が朝鮮に拿捕された件も取り上げられるだろう。中国外交部(外務省)報道官は21日、事件について全面的な調査を行ない、中国側に説明するよう朝鮮に求めた」と指摘した。

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