中国、制作費の安い映画が大ヒットを連発 (2)
伸び悩む中国の大作映画
これまで、中国の巨匠・張芸謀(チャン・イーモウ)監督の武侠映画「HERO(原題: 英雄)」(2002年)や「LOVERS(原題:十面埋伏)」(04年)、「王妃の紋章(原題:満城尽帯黄金甲 )」(06年)、陳凱歌(チェン・カイコー)監督の古代ファンタジー映画「PROMISE 無極(原題: 無極)」(05年)などの大作、張芸謀監督、陳凱歌監督、馮小剛(フォン・シャオガン)監督などが、中国映画の代名詞となってきた。うち「HERO」の興行収入は、中国の同年の映画興行収入9億5千万元(約158億円)の約4分の1を占める2億5千万元(約41億円)だった。
それから11年が経った今年は中国産の大作映画が伸び悩み、王家衛(ウォン・カーウァイ)監督の「グランド・マスター(原題:一代宗師)」(1月8日公開)や周星馳(チャウ・シンチー)監督の「西遊 降魔篇」(2月10日)の後は、これと言った作品がない状態だった。特に、孫健君監督の「天机・富春山居図(Switch)」(6月9日公開)は制作費1億6千万元(約27億円)をかけたにもかかわらず、興行収入が伸びず、ネット上では「制作費の割に出来が悪い」とのバッシングが多く寄せられた。そして、「国慶節」(建国記念日、10月1日)になって、徐克(ツイ・ハーク)監督の「狄仁傑之神都龍王(Young Detective Dee: Rise of the Sea Dragon)」(9月28日公開)が登場し、興業収入が6億元(約100億円)を突破。1億3千万元(約22億円)の制作費をかけた中国の大作映画に見合った成績を残した。