「孤独死」深刻化、「臨終プラン」で葬礼するNGO=日本
中国メディアが見る日本 平井さん(65:女性)はかつて大手メーカーに勤務していた。仕事に熱意を持ち、生涯独身ですごした。両親が亡くなり、平井さんは自分の将来について迷い悩み、恐れを感じた。しかし今では開き直り晩年生活を楽しみ、働いていた時のように元気いっぱいで毎日を過ごすようになった。平井さんのこの大きな変化の理由は何だったのか?香港紙「文匯報」が伝えた。
平井さんは先日、病気や緊急時にどのような支援を受けたいかを記した資料をあるNGOに送付した。NGOは、会員が提出した資料に基づいて臨終プランを策定し、親族に代わって死後の諸事を行い、気楽な余生を保証することを約束している。
NGOは民間慈善機構であり、その主旨は民間の力を組織して身寄りのない一人暮らしのお年寄りを支援し、日本で深刻になるばかりの高齢化問題を緩和することにある。
日本が長寿世界一となり20年以上が過ぎたが、不景気と少子高齢化が進む中、多数の高齢者が晩年に一人暮らしとなり、相応のケアやパートナーもない。とりわけ近年、「孤独死」問題が日増しに深刻になっている。東京都庁の統計によると、過去10年間で毎年、多いときで5千人を超える65歳以上の一人暮らしのお年寄りが、パートナーがいない状況の下、一人寂しく自宅で亡くなっている。
日本政府は過去、幾度にもわたりお年寄りの「孤独死」問題解決を表明、「介護保険制度」「シルバー人材センター」などの政策推進により、お年寄りが自助努力で老後を過ごせるよう図ってきた。社会環境を改善、地域の医師、郵便配達員、宅配業者など各業界に介護サービスを呼びかけ、訪問看護、健康チェック、安全確認などを行っている。しかしこれらの対策では高齢化、「孤独死」問題の根本的解決にはなっていない。
身寄りのない人達の中には、このNGOが開催する説明会に参加する人もいる。このNGOを通して「臨終プラン」を策定し、落ち着いて死と向き合いたいと考えている。会員の死後をNGOは支援、死亡届の提出から葬礼までが含まれ、一人暮らしのお年寄り達の安心感は増した。同時に、NGOはお年寄り達と地域のお年寄りの交流を仲介し、人間関係を構築している。「今後10年から20年で、国内の一人暮らしのお年寄りは増加を続ける。こうしたお年寄りは、家族に代わり面倒を見てくれる人や同世代との交流を必要としている」。NGO代表は語る。
NGOは会員らのために共同墓地も設け、すでにおよそ20人の会員が弔われた。自分の選んだ墓地を見学した平井さんは「皆さんとご一緒ですから、助け合えます。今は与えられた余生を思う存分楽しむことだけを考えています」と語った。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年7月18日