天津のお年寄り20人が自転車で日本縦断
日本の華字紙「中文導報」によると、中国・天津から訪日したシルバーサイクリングクラブ「天津騎游天下総隊」の20人が20日午前、東京・千駄ヶ谷の国立競技場を出発、52日間の日本縦断の旅をスタートした。中国新聞網が伝えた。
20日午前10時、お年寄り20人はあいにくの大雨のなか、国立競技場近くの高架橋下に集合した。「天津騎游天下総隊が日本の皆さんにご挨拶します」の横断幕を掲げ、出発式が催された。
計画を知る在日華人・童新政さんによると、最年長は69歳、最年少は51歳。全員すでに退職している。現役時代はエンジニア、大学講師、会社社長、会社員など。隠居の身だが、往年のパワーは衰えておらず、精神力・体力ともに若者にはひけをとらない。
今年は「中日平和友好条約」締結35周年。この35年の間、中日両国は各分野における交流で著しい成果を上げ、両国民の理解は深まってきた。しかし現在、両国はふたたび新たな困難に直面している。両国民のいずれもが相手との友好に大きな期待を抱いているにもかかわらず、島しょなどの問題により、中日関係はきわめて困難な局面に直面しており、心が痛み、また遺憾な気持ちでもある。
今回来日した「天津騎游天下総隊」のお年寄りたちは、このような時期だからこそ、国民の間の草の根交流がいっそう大切と感じている。今回の日本縦断の旅を通じ、日本の緑深き、清き水を湛える壮麗な山水を眺め、勤勉で善良な日本国民とふれあい、日本各界と積極的に交流、民間交流の絶えざる積み重ねを通して、中日関係が正常な発展の軌道に戻るのを促し、両国関係の氷や雪を溶かすために各自の力を捧げたい、としている。
現在、天津では各種シルバーサイクリングクラブで数千人が汗を流している。還暦を過ぎたお年寄りたちは自転車に乗ることで体を鍛え、人生の歓びと爽やかさを体験している。同時に社会公益活動にも非常に熱心で、ボランティアに携わる人も少なくない。サイクリングクラブのメンバーの多くが社会貢献のため、必要とされる場所に赴いている。
「三鹿」粉ミルク事件の際は大小様々なスーパーを訪問、問題の粉ミルクを陳列しないよう勧告・監督した。北京五輪の際には円満な開催のため多様なボランティアを行った。コミュニティ内に溶け込み環境保護、消防、交通安全知識をPR、交通秩序の維持を支援した。メンバーらはスポーツと奉仕を通じ、健康な肉体と健全な精神を得た。また自身の新たな価値を見出し続け、ますます若くなっていく感じだ。
今回の日本縦断は東京を起点に、東西日本を旅する。毎日100キロ以上を目標に、北海道から青森など東北各県を経て西日本に向かい、日本最西部の沖縄を目指す。同クラブはこれまでにも韓国、台湾を自転車で縦断しており、今回の日本の旅はまた新たな挑戦となる。
今回のツアーのために、日本の公益財団法人JKA(東京都千代田区)は自転車25台を提供した。JKA企画・施行者対応・競輪業務部の佐藤隆司課長、一般財団法人・日本サイクルスポーツセンター総務部の長井浩行部長、在日天津同郷会会員、日本の中国語メディアなどがスタート地点に集まり、取材・報道とともに見送った。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年10月23日