米大統領との会談遠回しに断られた安倍首相 危険なシグナルか (2)
■繰り返し傷つき、びくびく
自分の熱意を冷たくあしらわれる苦しみは、安倍首相にとって知らないものではないはずだ。昨年就任するや、安倍首相は米国は日本にとって唯一の同盟国だと大仰に表明したうえ、初の訪問国を米国に決定した。だがあいにくオバマ大統領の多忙を理由に米国政府に遠回しに断られ、やむなく外交デビューの場を東南アジア3カ国に変更した。
そして入念に画策した今回の二国間会談も失敗に終わった。メディアの憶測を前に菅義偉官房長官は17日の記者会見で「日米両首脳の信頼関係はすでに大変堅固だ。改めて形式張った会談をする必要はない」と述べた。だが実際には、安倍政権が懸念しているのは「日米同盟」に中国が立ち入ることだ。このため中米首脳会談後、安倍首相は急いで13日にオバマ大統領と電話会談し、会談の内容について探りを入れ、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題における米国の姿勢が変化することばかりを恐れた。日本の大手メディアでさえ、中米首脳の「別荘外交」について論じる際に、少し嫉妬を見せた。
だが状況は安倍首相が想像するほどまずいものではなかった。日米同盟はまだ行き詰まってはいない。日本政府関係者とホワイトハウスによると、日米電話会談でオバマ大統領は米日安保条約を再確認し、米国政府が日本との安全保障・軍事同盟を少しもなおざりにしていないことを示したし、予定通り離島奪還合同演習も行なわれた。