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今後3年間の安倍政権の内政、外交の行方 (3)

「週刊!深読み『ニッポン』」第48回

 (3)価値観外交はどこまで推し進められるか

 「米国に断固付き従う」のが安倍内閣の信条だ。だが日米間にも外交的衝突が全くないわけではない。

 まず、沖縄の米軍基地をめぐり日米間には大きな溝がある。今回の参院選では、安倍氏が投票前に自ら応援に駆けつけたものの、自民党の推薦候補者はやはり勝てなかった。外交は内政の外延だ。米軍基地について「沖縄の負担を軽減する」というのはすでに野党となった民主党がかつて沖縄の民衆に示した約束であるだけでなく、自民党も聞き飽きるほど言ってきた言葉だ。沖縄の民衆と米軍との板挟みとなった安倍政権が適切な解決策を見いだせなかった場合、どちらからも文句を言われる結果になる可能性が高い。

 TPP交渉も日米間に大きな摩擦をもたらしうる。就任当初、安倍政権は米国から全面的支持を得るため、TPP交渉を行なう際にいかなる前提条件も設けないことを承諾した。だが自民党内の「族議員」が勢力を盛り返すに伴い、特に最大の票田である農協の意見が日米間のTPP交渉のテーブルに反映されることになる。すでに米国はこれについて下院公聴会で警告を発した。TPP交渉問題で日本外交の信用性が試されることになる。

 また、安倍氏の歴史認識と右翼警告についても、米国の相当数の政治家が警戒し、警告も発している。歴史認識問題をめぐり、周辺国だけでなく「同盟国」でさえ安倍氏に対して余り安心していないことがわかる。

 中日関係が現在、国交正常化以来の冷え込みにある原因が日本側にあることは隠し立てするまでもない。自民党の小池百合子元防衛相が今後周辺各国との関係をいかに改善するかを問われた際に述べたように「日本は米国との関係強化を前提に、周辺各国との関係を発展させる」。だが、こうした災いを隣国に押し付ける、排他的な外交は周辺国と良好な外交的相互作用を維持できないのみならず、日本を新たな外交的苦境に陥れもする。

 領土問題をめぐり、日本は中国以外に韓国、ロシアとも係争を抱え、現在にいたるまで適切な解決方法を見いだせずにいる。歴史の残した問題の複雑性以外に、融通の利かない外交姿勢・手法もこうした問題の解決を妨げている根本的原因だ。

 安倍内閣が発足以来、外交問題で最も多く口にしているのが「価値観外交」だ。いわゆる「価値観外交」の中身とは、日本は普遍的価値(自由、民主主義、人権、法制、市場経済)を持つ国々との外交関係を積極的に発展させるというものだ。その言外の意味は、価値観を共有すると認めない国とは協力関係を積極的に推進したくないということだ。

 何が日本の「価値観」なのかということ自体が非常に不明確だ。日本の一般の民衆に軍事政権と見なされているミャンマー、強権政治の中東諸国、および社会主義のベトナムと日本がどんな「日本式」の共通価値を有するのか想像がつかない。いわゆる「自由と繁栄の弧」と「価値観外交」は完全に冷戦時代の思考方式だ。

 世界の一体化が進む現代において、各国には各自の発展モデルを追求する自由がある。日本は公平と対等を原則に、自国の発展経験を紹介し、必要な支援をすることができる。だが自国の方式の受け入れを他国に強要し、さもなくば排斥するような行為は、新たな時代の覇権的行為と見なされるだけだ。

 隣国である中日韓の間には衝突もあるが、それ以上に協力の余地がある。今後3年間に中日韓がどれほど大きな程度の協力を実現できるかのカギは、日本の外交方針が改善されるか否かにある。

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