今後3年間の安倍政権の内政、外交の行方 (4)
「週刊!深読み『ニッポン』」第48回 (4)旧自民党体制の復活は不可避
「産官政」の鉄の関係はかつて自民党にとって55年体制を維持する唯一無二の宝刀だったが、最終的に自らの下野を招く直接的原因ともなった。こうした関係は2005年の小泉内閣による郵政民営化後、一度は打破された。表面上はすでに歴史の彼方に消えたように見える。だが前述の通り、政治に対する民衆の失望が投票率の低下を招いた。そして投票率が低下すると、農協や医師会など業界組織の巨大な票田は確かに心動かすものである。政権党がその場しのぎで業界の票田に依存するやり方が、しばしば後難をもたらすことは明らかだが、やめるにやめられないものでもある。かつて小泉氏に粉砕された旧勢力もすでに自民党内部への捲土重来をひっそりと果たしており、長期政権の自民党とともに次の選挙を迎えることになる。派閥政治の復活もその一例だ。今後、安倍氏の最大の「敵」は自民党内部から出てくるのかもしれない。理由は非常に簡単だ。現在の選挙制度では、自民党総裁になった者が、内閣総理大臣になるからだ。
選挙前後から自民党の派閥勢力は領地の争奪を始めていた。各派閥のリーダーはまだ安定せぬ安倍氏の総裁の座を虎視眈々と狙っている。
アベノミクスの第3の矢、つまりいわゆる重要中の重要である構造改革の矢は今にいたるもなお姿が見えず、遅々として明らかにされていない。これは構造改革の矢が安倍氏に伴い復活した自民党「族議員」にしっかりと握られていることに根本的原因がある。
「産官政」の結託体制は自民党が3年間野に下ったからといって消滅することはなかった。この事実は今後3年間で証明されるだろう。
権力と利益をめぐる自民党内の闘争は、すでにひっそりと幕を開けたのだ。(文:趙剛・中国社会科学院日本研究所日本問題専門家)(編集NA)
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「人民網日本語版」2013年7月25日