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日本人が中国に「良くない印象を持つ」のはなぜか

 共同通信によると日本の非営利民間団体「言論NPO」と中国の英字紙「China Daily」による共同世論調査の結果が20日、東京で発表された。日本では中国に「良くない印象を持っている」との回答が前年と比べて6ポイント増え、過去最多の84.3%に達した。

 1970年代末、ハーバード大学のエズラ・ヴォーゲル教授は著書『ジャパン・アズ・ナンバーワン』で日本を世界一の大国と評した。日本にとって1960年代からバブル経済崩壊までは輝かしい時代だった。今世紀初めまで日本はずっと名だたる経済大国だった。過去の喝采の中で日本人は優越感を形成した。だが42年間続いた世界第2の経済大国としての地位は2年前、中国に取って代わられた。日本人の優越感は中国の台頭を受けて日に日に減衰している。これと共に現れたのが中国に対する羨望、嫉妬、恨み、底知れぬ懸念、さらには恐れだ。「中国脅威論」「中国恐慌論」「中国高圧論」などがやかましく論じられ、大きな市場を得ている。

 こうした心理の変遷に中日両国の国力の盛衰という要素があるのは確かだ。だが予測可能な未来において中国は日本の具体的脅威にはなり得ない。軍事面では、日本は単独で戦っているのではなく米国と緊密な同盟関係にあり、中国に劣らぬ力を持っている。経済面では、規模では中国に追い抜かれたものの、1人当たりGDPは中国のほぼ10倍だ。日本は他にも世界的ブランドの数々、進んだ製造業と文化産業を擁しており、中国にしてみれば、そのいずれも一朝一夕で達成できるものではない。

 それどころか日本は中国封じ込めの最前線に立ち、主導的な対中戦略を講じている。日本は米国と度々軍事演習を行い、南中国海問題にも積極的に介入し、周辺国を抱き込み、さらに釣魚島問題でしきりに行動を起こしている。中国に対して主導的に制約を課そうとしているこのような国が「中国の脅威を受けている」というのは明らかに無理がある。

 日本人が全般的に中国に「良くない印象を持っている」のもまた事実だ。これは日本の主要メディア、政治屋、世論リーダーが世論に及ぼす影響と直接関係がある。圧倒的多数の日本人の対中認識は日本のメディア、政治屋、さらには極右勢力に端を発していると言っていい。

 日本は情報が高度に発達した社会で、新聞、ラジオ、テレビ、出版で世界をリードしている。発行部数世界上位の新聞や雑誌の半分が日本に占められている。日本の大手紙、読売新聞と朝日新聞は発行部数がややもすれば1千万部に達し、世界上位2紙を独占している。他の雑誌、新聞、テレビは、もとより言うまでもない。

 一方で日本は、情報が高度に独占された国でもあり、大手メディアグループ数社によって世論がコントロールされている。こうした独占状況のおかげで、政府や利益集団はより容易に世論をコントロールすることができる。日本メディアが世論に影響を及ぼし、コントロールする力を強く備えているのもこのためだ。

 日本の権力集団や政治屋たちはメディアの運用に通暁している。その最も典型的な例は石原慎太郎を置いて他にない。昔の『「NO」と言える日本』から現在の釣魚島購入活動にいたるまで、石原の言動はメディアをにぎわせ続けてきた。一部日本メディアも自らの利益のために日本右翼や過激な勢力に迎合し、中国に関する誇張・歪曲報道を盛んに行っている。これによって民族主義がかき立てられ、「嫌中」感情が育成されているのだ。

 こうした状況が続けば、自らを少数派だと感じた人が多数派からの報復や孤立を恐れて意見を表明しなくなるという、コミュニケーション学でいう「沈黙の螺旋」が生じるのは必至だ。これは中国に対して友好的な人が最終的に発言を控えるようになっている原因でもある。対中友好の声が小さくなるほど、「嫌中」感情は勢いづいて拡大し、中国のイメージは悪化する。こうして日本人は自ずと中国に良くない印象を持つようになるのだ。(編集NA)

 「人民網日本語版」2012年6月25日

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