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中国の軍事力が強大化するほどアジア太平洋の平和に希望が持てる

 最近中国では軍需産業分野の嬉しいニュースが絶えない。大型輸送機「運-20」が初の試験飛行に成功したかと思えば、ミサイル迎撃実験成功のニュースも飛び込んできた。空母の進水、第五世代戦闘機の試験飛行、衛星測位システム「北斗」の運用開始といった赫々たる成果に、国民は心から誇らしく思わずにはいられない。(文:田文林・本紙特約論説員、中国現代国際関係研究院副研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 一方、偏狭な一部西側メディアは中国の軍事力向上は「中国軍事脅威論」をさらに裏付けるものだと主張して、「国が強大化すれば必ず覇権を唱える」との推論に簡単に飛びついている。だが、西側の学者による中国の未来予測がこれまで再三間違いだったのと同様、中国の軍事力向上を覇権政策の推進と単純に結びつけるのは、再び経験主義の過ちを犯すものである。

 相互依存という時代的背景、中国の特定の政治制度と戦略文化、および労働による富の創出という台頭方式のいずれもが、中国が中華民族の偉大な復興という「中国の夢」を実現するには平和で安定した外部環境が必要だということを決定づけている。その反対の環境ではなくだ。

 従って西側の一部の者の憶測とは反対に、中国の軍備水準の強化は、まさに地域と世界の平和をより良く守るためなのだ。現代世界が太平の世ではないことは隠し立てするに及ばない。冷戦終結後の20年余りで、すでに西側は地域戦争を立て続けに5回発動した。すなわち1991年の湾岸戦争、1999年のコソボ戦争、2001年のアフガン戦争、2003年のイラク戦争、そして2011年のリビア戦争である。過去のいくつかの戦争を振り返れば、双方の軍事力が非対称であるほど、西側の大国が戦争への欲望(軍事的威嚇によって相手に屈服を余儀なくさせることを含む)をかき立てやすいことが難なくわかる。

 とりわけ「カジノ資本主義」に基づく米国の戦争発動は富を略奪し、政治的・経済的覇権を強固にするためであることが多い。実力が非対称であるほど、戦争を引き起こしやすい。フセインは自ら軍事力を放棄し、大量破壊兵器を除去した結果、米国の何はばからぬ攻撃を招いた。ゴルバチョフは国益よりも「全人類の利益」を優先して、西側に善意を示し続けた結果、ソ連崩壊を招いた。カダフィは自ら西側におもねり、大量破壊兵器を放棄した結果、2011年に西側の軍事攻撃に遭い、フセインと同じ運命をたどった。イラン核問題で米国が遅々として武力行使を決断できないのは、イランの報復能力と強烈な戦略意志を気にかけているからに他ならない。

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