どんな信書も実際に信用を守ることには及ばない
日本の公明党の山口那津男代表が訪中している。連立与党リーダーの訪中は安倍晋三内閣発足後初だ。山口氏は釣魚島(日本名・尖閣諸島)で悪化した中日関係の改善を意図した安倍氏から習近平中共中央総書記への親書を携えている。(文:楊凱・本紙編集者。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
友好を示す行動を中国はもちろん拒絶しない。だが、その背後に誠意があるのかどうかを見なければならない。釣魚島問題における中国の立場は、もうこれ以上繰り返し強調する必要はない。中国の言動に法理や情理から逸脱したものは1つもなく、歴史的にはやや寛大に過ぎるくらいだ。中国の古くからの言葉に「誠を以て信に換える」と言う。もちろん、胸いっぱいの誠意を信書に取り換えるという意味ではなく、誠信が相互関係の基となるという意味だ。日本の首相は信書外交を愛用する。昨年8月末、まだ首相在任中の野田佳彦氏も胡錦濤主席に信書を送り、友好を望むと言い、平和のスローガンを叫んだ。だが信書を書くのは簡単だが、信用を得るのは難しい。
言葉を聞くだけでなく、行動を見なければならない。それから5カ月が過ぎ、野田氏はもう首相ではなくなった。彼らの誠意は一体どこにあるのか?中国人の目には見えないし、正直な日本人にも恐らく見えないだろう。
釣魚島問題において日本には一体誠意があるのか?現状を見ると、まだない。安倍親書の情報が流れると日本のネットユーザーからは「首相は中国に急いで日本と喧嘩するよう頼んだのに違いない」といった反応が少なからず見られた。もちろん、日本は国は大きくないが、人口は少なくなく、1億人に意見を統一して首相と共に平和的解決の道を追求させるのも難しいことだ。首相の親書について「意に介さなくてもいい。戦争を本当に引き起こしたい人がいたとしても、中国人の善意から推測して、主流ではないはずだ」とからかう声もある。だが首相閣下は「平和的解決」のためにどう準備をするというのか?安倍氏は中国への親書を人に託しはしたが、最近中国周辺国を慌ただしく訪問して回り、あちこちで「腹を割った話し合い」をしている。2月には米国も訪問する。誰に焦点を定め、誰を「包囲」するために、接近して引き込む技を使っているのか?答は誰もが知っている。効果の有無や大きさはまだ観察が必要だ。ただ、この休む間もない慌ただしい訪問活動のために、この親書からはどう見ても「時間稼ぎ策」の墨跡が透けて見える。もう少しはっきりした後押しと、もう少し多くの軍事的助けがあれば、この親書は書こうと書くまいとどちらでもよいのではないのか?