中国国防部長の訪米が明らかにするメッセージ (2)
第3に、今回の訪問はアジア太平洋地域における中米両軍の良好な相互作用を促進し、世界と地域の試練への連携対処に中米両軍が尽力するとのプラスのメッセージを国際社会に発する。社会制度とイデオロギー上の根本的な溝、台頭大国と守勢大国との構造的矛盾、経済貿易関係の深い依存および人的・文化交流の緊密化が、中米関係が現代世界で最も複雑な二国間関係の1つであり、競争の面もあれば協力の面もあり、利益の衝突点もあれば共通点もあることを決定づけている。中米関係の基調が競争か協力かは、地域と世界の平和・安定の全局面に影響を与える。近年、東アジアの焦点となっている問題がヒートアップし続けているのは、中米関係が冷たくも熱くもなく、対立のようで対立でない状態に長年あることと大きな関係がある。日本やフィリピンは島嶼紛争と領海境界画定でより大きな利益を得ようと謀り、米国の後ろ盾を得ようとあらゆる手を尽くし、中米の対立性を強めており、中米の潜在的対立もまた問題をさらに激化させている。中米は大国であり、アジア太平洋地域における両軍の良好な相互作用という新たな発想を図り、プラス要素を拡大し、マイナス要素を減らし、対立と衝突を協力とウィンウィンのかごの中に閉じこめる責任がある。
第4に、今回の訪問では溝の管理・コントロールの新たな方法を探り、両軍関係の摩擦や溝を適切な処理を図る。米国による台湾への武器売却、対中高強度接近偵察、対中差別的法律は、両軍関係の踏み込んだ発展に影響を与える障害であり続けている。こうした問題は両国・両軍間の戦略面の相互信頼に深刻な影響を与え、両軍の深いレベルでの協力を制約しており、中米間の軍事・安保上の問題を生む根源ともなっている。1回や2回の訪問でこうした問題を根本的に解決することは不可能だが、中米軍上層部の率直で誠意ある、踏み込んだ交流と意思疎通が問題の解決に資することは間違いない。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月21日
人民日報評論コラム「望海楼」