新たな試練に直面する中国高齢者事業 (2)
■「一人っ子を亡くした」「自立した生活ができない」高齢者の介護が切実な問題に
中国老齢科学研究センターの党俊武・副主任は、「一人っ子政策によって1人しか子供を産まなかった第一世代の親が高齢期に入っていることから、子供のいない、あるいは一人っ子を亡くした高齢者が増加傾向にある」と指摘。2012年の時点で、中国には一人っ子を亡くした家庭が少なくとも100万世帯あり、この数は年間7万6千世帯のペースで増え続けている。
青書によると、青島市は2012年7月、全国に先駆けて長期医療・介護保障制度をスタートさせた。北京・上海の複数の商業保険会社が、自立した生活ができない高齢者の長期介護費用問題の解決に向け、同制度について検討し、関連保険商品の開発に取り組み始めた。
■都市建設は 「全年齢層に対する平等」を目指すべき
老齢弁の呉玉韶主任は、「中国では、公共環境や日常生活環境の長期建設計画は、長い間立ち遅れたままで、人口年齢構造の変化によるニーズに対する考慮も疎かにされていた」と指摘。例えば、▽6階建てまたはそれ以上の高層ビルにもエレベータは設けられていない▽歩道橋や地下鉄の上り下りが非常に不便▽信号が変わる時間が速すぎるため、高齢者の横断が危険に瀕している---といった具合だ。これからの都市建設は、高齢者の身体的特徴や生活習慣に十分に配慮し、「全年齢層に対する平等」という考え方を重視すべきであり、北京や上海では、すでに、「高齢者への対応」のための都市コミュニティー改造に着手した。例えば、北京市高齢者対策部門は、古い低層住宅のエレベーター設置を推し進めている。高齢者事業発展計画によると、「十二五(第12次五カ年計画:2011-2015年)」末までに、在宅介護サービスのカバー率を、都市部で100%、農村部で50%とする方針。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年2月28日