新たな試練に直面する中国高齢者事業
「中国全国老齢工作委員会弁公室」(老齢弁)は27日、高齢者事業の発展状況に関する全面的な総括と評価を行った国内初の青書「2013年中国老齢事業発展報告」を発表した。報告によると、中国の高齢者は、人口の基数が大きく、高齢化の進行スピードが極めて速く、慢性疾患の罹患率が高いという特徴を呈している。また、高齢化事業が現在直面している主要問題として、▽高齢化に対する頂層設計(国家理念・構造を再構築するための戦略的政策立案)と戦略的計画の立ち遅れ▽政府・市場・社会など複数の主体が共同で打ち立てる高齢化対策が未完成▽老後保障と医療保証の低水準▽農村における高齢者事業の発展の滞り---などが挙げられる。人民日報が報じた。
■日ごとに顕著化する「未富先老(豊かになる前に老いる)」現象
中国老齢科学研究センター主任を兼務する老齢弁の呉玉韶主任は、「1952年と1953年に生まれた国民が高齢期に入るに伴い、中国は第一弾の高齢者人口増加ピークを迎えた。60歳以上の高齢者人口は1億9400万に達し、年平均100万人のペースで増え続けている」と語った。
高齢化の進行スピードが現代化の進行速度より速いことから、「未富先老(豊かになる前に老いる)」や「未備先老(老後の準備が整う前に老いる)」といった現象が日ごとに顕著になっている。中国の高齢者は、貧困・疾病・老化・高齢者サービス・介護・メンタルケアなどさまざまな面で、困難や問題に直面している。