三坊七巷
三坊七巷とは、中国福建省福州市の中心部にある南後街両脇に南北に順に並ぶ10巷をいう。西に向かう3つの「坊」(門がついた閉じられた通り)と、東に向かう7筋の「巷」(門がない開いた路地や横町)からなり、三坊は北から順に衣綿坊、光禄坊、文儒坊、七巷は楊僑巷、郎官巷、黄巷、安民巷、宮巷、塔巷、吉庇巷。中国の10大「中国歴史文化名街」の一つに当たる歴史文化街区で、歴史文化街区としては最大の面積を誇る(総面積38.35ヘクタール)。外に堀を設けて境界を定め、坊巷の内側には小さな路地が通じるなど、基本的に唐宋時代の里坊制と同じ構成を保っており、明・清時代の比較的保存状態のいい古建築計159カ所が現存する。なかでも、全国重点保護文化財が9カ所、省級保護文化財が8カ所に上り、「明・清代建築の博物館」や「里坊制度の生きた化石」と呼ばれる。