今世紀初期に購入された住宅、数倍値上がり 中国
中国は今世紀初期、住宅をめぐる政策の転換に端を発する住宅ローンブームを迎えた。それから、約10年が経った今、多くの人が借金を完済し、晴れて自由の身になる時期を迎えている。中国国営のラジオ局「中央人民広播電台」のウェブサイトが報じた。
約10年前、中国は勤務先が従業員に住宅を分配する「福利分房」という制度から、国民が自分のお金で住宅を購入する(住宅の貨幣化)政策に転換し、それに伴い各銀行が住宅ローン業務に力を入れ、大量の貸付金を放出した。そして、2003年ごろに、中国初の住宅ローンのピークを迎える。当時、住宅ローンの返済期限は基本的に10-15年のものが最も多く、もうすぐその10年が過ぎようとしている。当時、ローンでマイホームを買った人が借金を完済し、自由の身になろうとしているのだ。
実際には、02年、遼寧省鞍山(あんざん)市で販売された「商品房(分譲住宅)」のほとんどが1坪当たり6600元(約8万円)程度。1件の住宅価格も10万-30万元(120-360万円)で、市民が住宅購入に当たり抱えるローンの額はほとんどが20万元(約240万円)以下。毎月の返済額は約1千元(約1万2千円)と、国民が抱えている借金返済の負担はそれほど大きいものではなかった。
このほか、山東省や安徽省などでも同じような状況で、当時ローンで住宅を購入した人の毎月の返済額は1千元程度だ。しかし、10年がたった今、庶民の收入が増加したと同時に、不動産も高騰している。当時、10万-30万元で購入した物件の多くが今、数倍、しいてはそれ以上に値上がりしているのだ。
もう当時のローンを完済してしまった人のほか、15-20年のローンを組んだ市民もおり、あと5年分のローンが残っているという人も少なくない。しかし、現在、「1千元」は既に、それほど大きな額ではなくなっており、それらの人の負担もそれほど大きなものではなくなっている。このため、繰り上げ返済をして、自身の借金生活に「ピリオド」を打つ人も多い。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年11月12日