日本アニメ、人気の秘密は「民族文化」
海外の人の目に日本人は「二面性がある」と映るようだ。米文化人類学者ルース・ベネディクトは著書「菊と刀」(1946年)の中で、「菊づくりに秘術をつくし、芸術や美を賛美しながら、他方では刀を崇拝し、武士に最高の栄誉を帰する」とし、日本人は「野蛮な一面と温和な一面を兼ね備えている」と描写している。
ルース氏は同書でさらに「日本人は頑固でありながら、環境に応じて忍耐することも知っている」、「従順でありながら、他人に操られることを嫌がる」、「忠実でありながら、反逆心もある」、「勇敢でありながら臆病」、「保守的でありながら、新しいライフスタイルを取り入れるのが好き」と日本人の性格を描写している。
日本人がこのように、東洋の上品で含みのある表現の仕方と開放的で自由な西洋の性格両方を兼ね備えるようになったのは、「島国」という地理特性によるもので、この「二面性」は日本のアニメ作品の中でも表現されている。
(1)武士道の精神
日本人は武士道の精神を尊んでいる。戦争当時の「天皇のため、お国のため」という精神はまさに武士道の精神の集約と言えるだろう。1980年代の人気漫画「聖闘士星矢」はギリシャ神話をモチーフにしているものの、女神アテナを守るために戦う闘士聖闘士(セイント)らの精神は「武士道の精神」だ。聖衣(クロス)と呼ばれる防具をまとい、星雲鎖(ネビュラチェーン)などの武器を持つが、各ストーリーの中で首尾一貫して貫かれているのはやはり武士道の精神だ。また現在、中国でも圧倒的な人気を誇るアニメ「NARUTO -ナルト」に登場する忍者達が、心の中で守っているもの、夢、最後まで戦い尽くすその姿はいずれも、忠誠を尽くし、勇敢に戦う武士道の精神の表現である。