○家庭に落ち着いた妻の就業、極めて困難
「鬼嫁」と呼ばれても、鈴木さんは幸運だった。彼女の夫と彼女の勤める会社のトップが、ともに彼女をバックアップしてくれたからだ。しかし、家事・育児と仕事の両立を目指す日本人女性の圧倒的多数が、鈴木さんと同じような選択をした結果、数々の難題に直面している。
日本の国立社会保障・人口問題研究所は2010年、国内6千組の夫婦を対象に世論調査を実施した。その結果、「女性は出産後、仕事を辞め、育児に専念すべき」と考えている人は、回答者全体の7割に達した。
日本の託児施設は、人口1万人あたり166カ所のみ。ちなみにオーストラリアでは365カ所ある。深刻な託児施設不足も、日本人女性の職場復帰を阻む大きな難題となっている。
深刻な保育園・託児所不足、同年代の専業主婦からの圧力、旧態依然の就業管理システムなどを背景に、鈴木さんのような「鬼嫁」は、日本では少数派にとどまっている。上智大学国際教養学科の大石奈々・准教授は、「日本人女性の7割は、第一子出産後仕事を辞めている」と指摘した。
日本人男女800人を対象に行われた調査によると、女性の77%と男性の72%は、「働く女性にとっての最難題は、ライフワークバランスを実現させること」と答えた。この結果は、日本人女性にとって、結婚して幸福な家庭を築くためには、充実した職業生活を送るという夢を諦めざるを得ないという風潮を意味している。
このほか、一部の日本人女性は、仕事を続けながら妊娠・出産しようと思えば、往々にして昇進のチャンスを逃すことになるという事実に気づいている。某著名キャリア・コンサルティング企業の関係者は、「日本では取り上げる人が極めて少ないが、これは明らかに性差別だ」と指摘した。
○日本政府、女性の就業率向上を計画
日本政府は今年7月、「長期にわたる景気低迷からの脱却を図るため、今後8年以内に女性の就業率をある程度引き上げる」計画を発表した。 これによると、2010年に66.5%だった日本人女性(25歳から44歳)の就業率を、2020年までに73%まで引き上げる。また、第一子出産後に職場に復帰する女性の割合を、2016年までに50%、2020年までに55%まで引き上げる。
試算によると、就業適齢期にある日本人女性の就業率が男性と同レベル(80%)まで上昇したとすると、日本には820万人の労働人口が増加することになり、世帯当たり可処分所得と消費能力はいずれも、それに伴い成長するという。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年11月21日
[1] [2]