北京、月給14万円でも貯金は340円しかできない
中国の首都北京で、マイホームもマイカーもない人の月収が1万元(約14万円)で、それほど贅沢もしないというのなら、一体どんな生活ができるのだろう?「中国新聞網」が報じた。
平均月収が4672元(約6万5千円、2011年調べ)の北京で月収1万元というと、かなりリッチな暮らしができると感じるだろう。ただ実際には、厳しい現実が待ち受けているようだ。
■ 支給額を1万元とした場合の手取りの計算
(1)税金類の個人負担額
社会保険・公共積立金明細:年金8%=800元、医療保険2%=200+3元、失業保険0.2%=20元、公共積立金12%=1200元。
個人所得税=322.70元。
納税金額合計2545.7元。
手取り=10000?2545.7=7454.3元。
(2)税金類の企業負担額
社会保険・公共積立金明細:年金20%=2000元、医療保険10%=1000元、失業保険1%=100元、労災保険0.3%=30元、出産保険0.8%=80元、公共積立金12%=1200元。
企業の納税額合計=4410元。
■生活費の計算
1.家賃:北京の中心部から少し離れた第3、第4環状道路付近で家具や電気製品完備の1LDKが最低3000元。
2.光熱費:インターネット料金、有線テレビの料金、衛生管理費約300元。
3.交通費:週末や雨天、残業で帰宅が遅くなるなどの場合などにタクシーに乗る場合を除き、普段は公共バスに乗るとして約200元。
4.食費::出勤日22日は朝食5元、昼食15元、夕食(自宅)15元。週末4回は外食などで1週末150元×4回=600元。果物やおやつに1週間約80元で計300元。 合計 (5+15+15)×22+600+300=1670元。
5.雑費:本や洗濯洗剤、歯磨き粉、シャンプー、トイレットペーパーなどに最低100元。
6.洋服代:控えめに見積もって300元。
7.携帯代:節約して使って100元。
8.交際費:恋人がいないとして、友人や同僚との交際費に最低600元。恋人がいれば倍の1200元。平均900元。
誕生日、バレンタインデー、クリスマス、結婚、出産などのギフトに300元。1年で約2000元として月平均約200元。合計:1100元
9.両親への仕送り:最低基準500元。
10.旅行費:1年に3回短期旅行に行くとして、600元(1回)×3回=1800元。1カ月平均150元。
以上の合計:3000+300+200+1670+100+300+100+900+200+500+150=7420元。
手取り7454.3元から必ず必要な費用7420元を引くと24.3元(約340円)。ほとんど残らない。
北京での生活を熟知しているなら、上記の計算に首をかしげることはないだろう。もし、既にマイホームやマイカーを購入していたり、子供がいたり、さらに交友関係が広かったり、旅行に頻繁に行ったり、タバコを吸ったり、お酒が好きというなら、どうなるかは容易に想像できるだろう。そのため、月末にちょっとお金がない、急な物入りなどのために、クレジットカードが必要となってくるだろう。これが北京の現実。でもこの厳しい現実が、人に働く意欲を与えてくれる活動力となるのだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年1月16日