熱中症を補償できる保険は?
連日、中国全土で異常なまでの高温天気が続いており、熱中症による死亡事件も頻繁に発生している。上海だけでも、仕事以外の原因による熱中症の死者が10人あまりに達している。では、熱中症を補償できる保険には、どんなものがあるのだろうか?保険会社・国泰人寿の福建支社担当者によると、生命保険、健康保険、労災保険などはいずれも補償が可能だが、傷害保険の場合、熱中症は補償対象にならないという。新華網が伝えた。
同担当者によると、熱中症はある程度の偶然性を持つため、不慮の事故だと思っている人が多いが、医学的に見れば熱中症は一種の疾患であり、主に長時間にわたって高温環境下にいることにより、身体の機能が支障をきたすことを指す。高温環境の発生から発病・死亡まで一定の時間がある上に、熱中症は一般的な病気とも見なされ、予想できないわけではないため、「不慮の事故」のうち「非疾患、外部、突然」という3つの条件に当てはまらない。このため、熱中症による死亡は傷害保険の適用の対象とはならない。
一方、生命保険は傷害保険よりも適用範囲が幅広い。一般的には、保険期間内に自然死もしくは、疾患、不慮の事故により死亡した場合、または重度の障害を負った場合に適用されるため、熱中症による死亡の場合でも補償が可能だ。
一般的には、軽度の熱中症はただちに措置を講じればすぐに回復できるが、発見が遅れて重症化した場合、脳浮腫、心不全、呼吸不全といった合併症を引き起こす恐れがある。現時点では、熱中症の合併症を対象とした保険商品はないが、通院補償・入院補償がついた健康保険に加入することで、医療費負担を減らすことができる。
このほど改訂された「防暑降温措施管理弁法」では、最高気温が40度以上の場合、屋外での作業を停止しなければならないと規定された。国はこのほかにも、高温下における作業者に健康診断を受けさせる、高温下での労働時間を制限する、薬品や高温手当を支給するなど、労働者を保護する措置を規定している。それでも、高温下における作業者の熱中症は頻繁に発生しており、高温下での作業による熱中症が労災と認定されれば、労災保険の対象となる。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年8月12日
中国、猛烈な暑さ