自前の「機内食」を持ち込む中国人 強い匂いに外国人辟易
米国系航空会社の機内食は、量が少なく、中国人の口似合わないものが多いことから、自分の好物を機内に持ち込んで食べる中国人が多い。しかしそれらの中には、外国人にとって馴染みのないものもあり、彼らのひんしゅくを買う場合も少なくない。米華字紙「世界日報」の報道を引用して中新網が伝えた。
中国人留学生の朱さんは、夏休みも終わりに近づいた頃、中国大陸部から留学先の南カリフォルニアに戻るために米国系航空会社の直行便を利用した。しかし、飛行機が離陸した後、近くの席に座っていた留学生や親族訪問のため米国に向かうお年寄りが次々と、機内に持ち込んだバックの中から自分で用意した「機内食」を取りだしたという。中身は、茶卵(中国茶で煮たゆでたまご)、ギョーザ、楊州炒飯、あんかけ肉炒め、インスタントラーメン、ザーサイなど各種中国式軽食のオンパレードで、機内はそれらの食品の匂いで満ち溢れた。朱さんも例外ではない。機内で提供される食事は、本当に「喉に通らない」お粗末な代物が多いため、朱さんの親も、カモの塩味煮やシュウマイなどの中国料理や各種フルーツを彼女の機内持ち込み用バッグに一杯に詰めてくれた。機内で提供される食事を素直に食べている米国人乗客から見れば、中国人は本当に「食べるしか能のない」国民だ。
米国内線フライトで出されるスナックは、この数年で大幅に量が減らされ、多くの中国人乗客は、各自で自前の機内食を持ち込み、お腹を満たすようになった。サンフランシスコ在住の中国人ジェシーさんは、東海岸と西海岸を行き来することが多い。最初に乗った時、6時間の飛行時間中、プレッツェルが入った小さな袋と小さなコップ2杯の飲み物しか提供されず、機内で有料の食べ物を購入しようとしたが、ポテトチップス以外はすべて売り切れていたため、飛行機が目的地に着いた時には、「飢えと寒さ」でダウンしそうだったという。これに懲りたジェシーさんは、その後、機内には必ず食べ物を持ち込むようになった。初めは、サンドイッチ、フルーツ、ヨーグルトなど冷たい西洋の軽食だったが、そのうちに、クアズ(カボチャやスイカの種)、牛肉乾(ビーフジャーキー)、五香豆干(5種のミックススパイス入りいり豆)、冷めんなどの中国式軽食を持込みはじめ、その後は焼鴨飯、汁なしビーフン、ついには鶏の足、カモの首、豚足の醤油煮、豚耳の煮物まで持ち込むようになった。中国人は、自分達が大好きなこれらのご馳走を、傍若無人にも機内に持ち込み、堪能している。
一度、面白い出来事があった。ジェシーさんは、ローストダックとクアズを機内に持ち込んだ。彼女がクアズをかじっている間ずっと、隣の席に座っていた米国人乗客が物珍しそうに彼女を見つめ続けていたが、ついに好奇心を抑えられなくなったのか、自分のポテトチップスと彼女が食べているクアズを少し交換してくれないかと申し出た。ジェシーさんは、「一緒に食べましょう」とこの米国人を誘った。相手は喜び、一緒にクアズやローストダックをかじり、心ゆくまで食べて飲んで、2人とも目的地に着く頃には満腹になった。
米国留学のため、夫と離れ離れで暮らすことになった中国人・エバンゲリアさんは、いつも片道5時間かけて飛行機で夫のもとに向かう。しかし、機内で飲み物以外でに提供されるのは、ピーナツとプレッツェルだけだという。初めて国内線に乗った時、空腹のためフラフラになった経験から、それ以降、飛行機に乗る時には必ず、煮込みご飯・野菜サラダ・フルーツの「三点セット」を持ち込むようにした。だが、ある時「形の崩れやすい」イチゴを持込み、搭乗する時にケースに圧力をかけたため、ケースを開けると、まだ食べる前なのにイチゴはもぬけの殻、果汁が手と機内の床に飛び散り、バツの悪い思いをした。以後、「形の崩れやすい」果汁分の多いフルーツは、彼女にとって「持込み厳禁食品」となった。
機内という閉鎖的空間を考えると、あまりにも「ヘビー」な中国料理は、持ちこみを控えるべきだろう。米国人はもちろんのこと、一部の中国人でさえも、それらには辟易するに違いない。数年前、中国の親戚を訪ね米国に戻る途上の在米中国人・丁さん(女性)は、食事時間になった頃、「生ネギ」の匂いが機内に漂っているのに気づいた。それはドリアン・ニラ・タチウオの塩漬など「超ヘビー級」の匂いという程ではなかったものの、決して心地よい香りとはいえなかった。もし「超ヘビー級」の食品なら、十時間を超えるフライト中ずっと機内全体に物凄い匂いが漂うことになり、想像しただけでもゾッとする。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年9月12日