メディア:「公定祝祭日の制定、国民に発言権あり」 (2)
中国における公休祝祭日制度改革の足取りを見ると、1949年に「全国年節および記念日休暇弁法」が公布され、国民は、週末を含む法定休日を享受する権利を得た。数回の調整を経て、現在、中国の法定祝祭日は11日、週末2日の休みを加え、年間休日は115.3日に達した。
現行の祝祭日規定は、土日の休みを振替出勤日とし、7日間の長期連休を2回(春節・国慶節)と3日間の小連休を5回(元旦、清明節、労働節、端午節、中秋節)を設けるという方法を採用している。
しかし、経済社会の発展と休暇に対する国民の需要が日に日に高まるにつれ、現行の休暇モデルの「弊害」がだんだんと顕著になってきた。とりわけここ数年、「国慶節連休」は、「観光地に人がどっと押し寄せる」「道路が激しく渋滞する」「連休前後の生活リズムが乱れる」など、サラリーマン族にとっていたって評判が悪い。
例えば2013年は、元旦の「3日休むために8日連続出勤」、端午節の「3日休むために7日連続出勤」、中秋節・国慶節期間の複雑極まる振替出勤が実施されたことから、「過去に類を見ない、最も混乱した祝祭日休暇の年」と酷評された。「連休」を捻り出すため支離滅裂な休暇制度のために、祝祭日が近づくたびに、ネット上ではさまざまな「休暇攻略法」が議論の的となった。
ネットユーザー「以夢為馬」さんは、「連休にするための調整が行われないと、せっかくの休みが本当に『しょぼい』ものになってしまい、遠方への旅行は不可能になる。一方、週末振替出勤による調整が行われると、生活のリズムが狂い、人々の愚痴も増える」と指摘する。
「休みをかき集めて」作られる「中国式連休」は、全国民から大きな関心を集めた。国民が本当に求めているのは、法定祝祭日によって得られる、真の「休息」と「くつろぎ」なのだ。
今問題とすべきなのは、「振替出勤を行うか否か」ではなく、「休日の日数を増やす必要」についてだという意見もある。
中国社会科学院観光研究センターの劉思敏・特任研究員は、「ここ数年の中国経済の急成長によって、休暇に対する国民のニーズはより高まっており、法定休日の日数を増やすことに、全く問題はない」との見方を示した。
専門家の多くは、「現代人が、『休みが少ない』と感じる根本的な原因は、帰省休暇や年次休暇などの有給休暇システムを利用しづらい現状にある」として指摘している。
1994年に公布された「中華人民共和国労動法」および2008年に施行された「従業員有給年次休暇条例」では、「従業員は有給休暇を取得する権利を有する」と明確に規定されている。しかし、労資関係の不平等や従業員の権利保護面でのルート不備などの原因によって、この「権利」が、多くの人々にとって、「絵に描いた餅」になっているのが実情だ。
中国共産党中央党校の呉忠民教授は、「休暇制度に過敏になりすぎることは、国家、社会、個人いずれに対しても良い事とは言えない。また、有給休暇は、連休による弊害を『緩和』する役割を担っている。個人の休暇取得を保障すると同時に、連休中の消費集中やそれによってもたらされる関連産業や関連企業への圧力集中を和らげることができる」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月28日