中国の家電産業は世界トップの座につけるか (2)
家電産業は現在の中国で最も成熟した産業の一つだ。中国で生まれた世界レベルのブランドは枚挙に暇がなく、世界的な家電戦争はかつての欧州、米国、日本、韓国による競争から、中国、日本、韓国による力比べに変わり、今では中国と韓国との戦いという形になっている。中韓メーカーの戦いをみると、実際に戦いに参加する企業は10社を超えない。韓メーカーについていえば、国際的な家電戦争に参加する場合、どの企業も自分で作り出した血液で生命を維持しており、政策面での輸血によって生存しているものはなく、相当に強い生命力を備えていると考えられる。
翻って政府の政策をみると、実際には企業に輸血することはそれほど重要でなく、企業から血を抜き取るようなことさえしなければ、企業はたくましく生き延びていく。かつての一流ブランド、二流ブランドが落ちぶれて三流ブランド、四流ブランドになり、ひどい場合は倒産したり破産したりするケースがこれまで数多くみられたが、これは血を抜き取られて死に至ったものといえる。一部の企業は政府から崇高な社会的に使命を与えられ、無計画な合併買収(M&A)や拡大拡張の渦の中に引きずり込まれた。こうした状況は輸血ではなく、血を抜き取られているのであり、買収すべきでない企業を買収し、背負うべきでない荷物を背負っているのだ。企業の負担が増大するのは必至で、企業は発展やグレードアップに向けたパワーを失うことになる。