靖国神社放火容疑の中国人が韓国で釈放 韓国「大義のための犯罪」
【中日対訳】 韓国のソウル高裁は3日、靖国神社に放火したとされる中国人の劉強容疑者について、日本へ引き渡さないことを決定した。韓国・聯合ニュースによると劉容疑者は同日直ちに釈放され、近く中国へ帰国する。ソウル高裁刑事法廷は裁決文で「劉強の犯行は政治的大義のために行われたものだ。政治的犯行を行った劉強を日本へ引き渡すことは大韓民国の政治秩序と憲法理念、そして多数の文明国の普遍的価値に合致しない」と指摘。韓国外交通商省は3日、裁判所の決定を尊重すると表明し、韓国の裁判所の決定を尊重するよう関係国に呼びかけた。環球時報が伝えた。
日本はただちに不満と抗議を表明。朝日新聞(3日付)によると日本外務省は在ソウル日本大使館を通じて韓国外交通商省に抗議。決定について「極めて遺憾」と表明し、劉容疑者の引き渡しを再度求めた。産経新聞(3日付)は「正当かつ合理的な理由なく犯罪者の締約国への引き渡しを拒めば、韓国は国際的信用を失う」と指摘。共同通信は「中日間には犯罪人引き渡し条約がなく、劉強容疑者が中国へ帰国すれば、靖国神社放火事件の徹底的な調査はできなくなる」と報じた。
劉容疑者は2012年1月、ソウルの日本大使館に火炎瓶を投げ込み、懲役10カ月の判決を受けた。取り調べの過程で、2011年12月に靖国神社に放火したことを認めた。このため日本当局は外交ルートを通じて、韓日犯罪人引き渡し条約に基づき劉容疑者を引き渡すよう求めていた。だが劉容疑者は祖父が抗日烈士、祖母が強制連行された慰安婦で、慰安婦問題での日本政府の姿勢に不満を抱いて犯罪におよんだと供述していた。劉容疑者は2012年11月に刑期満了で出所。韓国法務省がソウル高裁に引き渡しについての判断を求めていた。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年1月4日