米国不動産市場につめかける中国からの「お得意様」 (2)
今年1月から現在までの間に、ニューヨークの居住用不動産の価格はやや上昇した。セルハントさんによると、これと同時に、中国人の不動産購入希望者が次々に押し寄せるようになり、値上がりしそうな物件であれば何でも強い関心を示すという。セルハントさんが務める不動産会社は1月に7千万ドルの取引を完了させ、このうち30%は中国人顧客の取引だった。「これからの12カ月-18カ月で、ニューヨークの不動産価格は1平方フィートあたり平均2千ドルに上昇するとみられるが、香港、上海、北京などの都市に比べればこの価格も高いとはいえない。ゆとりのある中国人がニューヨークで投資リスクを分散しようとするのは、国内の大都市での不動産購入にはより多くの代価が必要だからだ」という。
全米不動産業者協会(NAR)がまとめたデータによると、2012年に米国不動産市場で不動産を購入した中国人の総購入額は90億ドルで、購買件数はカナダ人の購入者に次ぎ、世界の顧客源の中で2位になった。東南アジア沿海都市以外からの中国人顧客がますます多くニューヨークを訪れ不動産を見て回っているが、彼らは英語を話せない。ブラウンさんによると、10年前には東洋が西洋に合わせていたが、今は西洋が東洋に合わせるという流れに従わなくてはならないという。ブラウンさん自身、中国と米国との往復の回数が増えただけでなく、中国語のレッスンにも通っている。目的は中国人の顧客のどのような特徴が取引の成功を妨げるか」を理解することにあるという。たとえば米国の買い手はセントラルパークが見渡せるマンションを強く希望するが、中国人の買い手はこの点ではそれほど強い要望は出さない。ただ窓は絶対に南向きでないとだめだ。ブラウンさんは、「中国人顧客の最大の特徴は何かといえば、絶対に損をしない、ということだと思う。彼らは数千年にわたって商売をしてきた歴史があり、この点についてわれわれよりはるかに詳しく理解している」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年2月27日