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米国不動産市場につめかける中国からの「お得意様」

 米国紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は25日、中国の不動産購入の大軍が米国・ニューヨークに進出し、ニューヨーク市場が好調に向かっていることを取り上げた論考を発表した。価格が跳ね上がっただけでなく、海の彼方の中国人顧客の不動産購入への熱意も上がる一方だという。ニューヨークの不動産会社サザビーズインターナショナルリアルティに務めるケビン・ブラウンさんは最近、香港からのある顧客と取引した。ブラウンさんに連れられてセントラルパークに近いマンハッタンの豪華マンションを何度か見に行ったこの顧客の女性は、娘をコロンビア大学かニューヨーク大学に入れたいので購入を焦っていると話した。そこで「お嬢さんはおいくつですか」とたずねると、「2歳」という答が返ってきた。それから数週間後、この顧客は650万ドルのマンションの購入契約を結んだという。「環球時報」が伝えた。

 米国の不動産データ分析会社コアロジックがまとめたデータによると、ニューヨークの居住用不動産価格指数は昨年12月に前年同月比7%上昇した。中国人は値上がりしている物件は買うが、値下がりしている物件は買わないことが多い。価格が上昇している方がより多くのニーズを喚起するからだという。現在の中国には、純資産が100万ドルを超える人が270万人おり、このうち30%が海外で不動産投資を行っている。第一期海外進出組となったスーパー富豪たちはもっぱらグレードの高い物件に関心を寄せ、主にキャッシュで不動産を買っていた。今ではより多くの一般の買い手たちが海外に進出し始め、中国で不動産を買うときと同じようにローンで海外の不動産を買っている。

 中国の不動産購入希望者にとって米国は引き続き最も人気がある国だ。ある調査に回答した1200万人の潜在的な購入者のうち、43%が海外での不動産投資が移民の主な目的だと答えた。人気都市の上位5カ所はロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンD.C.、ボストンとなっている。また予算が50万ドル以上とした人は60%を超えた。ブラウンさんの顧客の構成も変わっており、「3年前は顧客のうち約12%が中国人だった。去年は20%に増えた。今は約3分の1が中国から来た顧客だ」という。

 米国で学ぶ中国人留学生はどんどん増えており、両親たちは子どもに中国での暮らしと同じような安心して暮らせる環境を与えたいと考える。四川省成都市から来た高亦丘さん(21歳)は、ニューヨークのペース大学で学ぶ3年生で、有名な99ジョンに2年あまり住んでいる。この建物はこれまで80年間ずっとマンハッタンのシンボルマークの一つだった。2010年9月に入学した当初はこの建物のこじんまりしたスイートを借りていたが、1カ月後に両親が1LDKタイプの購入を決定した。かかった費用は全部で約80万ドルで、両親は米国の香港上海銀行(HSBC)でローンを組んだ。当時、取引を担当したライアン・セルハントさんによると、米国のローン方式はすでに中国人顧客に完全に開放されてはいるが、個人の信用状況などの資格審査のハードルが非常に高いため、中国人顧客のほとんどが一回払いを選択する。不動産価格の上昇にともない、一回払いを選択しない顧客は基本的には価格の50%分についてローンを組むが、こうした人々は実は非常に豊かな人たちであり、銀行に十分な預金があることを証明できる人たちだという。

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