円安が金融戦争の幕開けに 中国への影響は?
このほどモスクワで閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会は、市場でホットな話題となっている金融戦争に関しては態度表明を避けた。しかし日本などの為替操作政策の実施に伴い、世界範囲の為替操作の幕が切って落とされたといえる。円などの通貨の価値低下が中国にどのような影響を与えるかについて、市場から広く注目が集まっている。
欧米諸国が量的緩和策を相次いで実施している。中でも日銀による「無制限」の金融緩和策を受け、一部の経済国による為替操作のすう勢が日増しに顕著になっている。データによると、米ドルは2月にやや持ち直したが、米ドル指数は昨年下半期より約84ポイントから80ポイントまで低下した。日本円の対米ドル・対人民元レートは、昨年9月から現在までに約17%下落した。円安の影響を受け、ウォンなど一部の国家の通貨も高騰している。通貨の価値低下の「ドミノ効果」が徐々に現れ始めた。
中国招商銀行の劉東亮・高級金融アナリストは、「現在の東アジアの金融情勢を金融戦争と呼ぶことはできないが、為替操作の競争がすでに表面化している」と指摘した。
先進国の相次ぐ為替操作が、輸出を主な原動力とする新興国に与える影響は言うまでもなく明らかだ。一部の発展途上国は、1930年代の保護主義的な貿易戦争の再演、流動性の氾濫が本国実体経済に衝撃を与えることを懸念している。先ほど閉幕したG20会議は、為替操作の競争を避けることで一致した。中国財政部の謝旭人部長もG20会議で、「先進国は財政調整・経済回復の関係を適切に処理し、短期的な経済成長を促すと同時に、中期的な財政の持続性を確保し、かつ量的緩和策による外部へのマイナス効果を低減するべきだ」と発言した。