中国は「通貨戦争」による被害をどう回避すべきか (2)
米国の他、日本の新しい首相もさらなる金融緩和政策を講じ、日本経済のデフレ脱却を後押しする方針を何度も表明している。米日に続き、欧州中央銀行、英国中央銀行など西側の金融政策決定者もさらに積極的な金融政策を講じて景気を刺激する方針を次々に表明している。こうした国々の動きは緊張を激化させ、ブラジル、韓国、イスラエル、スイスなどは自らを守るため、強硬措置を講じて自国通貨の過度の上昇を防がざるを得なくなった。
だが国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、通貨戦争という話題には何の根拠もないと指摘。経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長も「いわゆる通貨戦争は勃発していない」としている。これに対して孫氏は「IMFが通貨戦争に対して否定的なのは、先進経済国と政治的に利益同盟にあり、先進国経済の安定が彼らの利益と合致するからだ。もし中国などが通貨戦争を引き起せば、彼らはむやみに非難するだろう」と指摘する。
この戦争で利益を得るのは誰か?孫氏は「最初に利益を得るのは、自国通貨安を実現した国だ。だが他国の市場に割り込み、他国の利益を損なったために、他の国々も通貨安競争へ向かわせる。各国が角逐を繰り返し、最終的には誰もメリットを得られないばかりか、国際貿易・投資・通貨システムが攪乱させられる」と指摘する。
中国は通貨戦争に巻き込まれるのだろうか?「中国が通貨戦争に参加することはあり得ない!わが国は米日などの量的緩和政策に反対している、また、わが国のいかなるマクロコントロールや金融政策も自国経済に対するものだ。人民元は国際通貨ではないので、われわれの政策に波及効果はない」と孫氏は指摘する。