米露日の資源開発 世界エネルギー構造の不確定要素に (2)
■露:東か西か?
世界の各社は現在、米国のシェールガスに巨額の資金を投じ、利益を得ようとしている。米国はシェールガスの生産量の急増により、エネルギーの自給自足を実現できるが、同時に世界エネルギー構造を破壊し、ロシアを落伍させている。
ロシアの天然ガス・石油・石炭の埋蔵量は、これまで世界トップ水準を維持してきた。すぐれた自然条件を持つロシアは、再生可能エネルギーを発展させる条件と潜在力を持っている。しかし伝統的なエネルギーに対する過度な依存、制度面の遅れや人材不足などにより、ロシアの新エネルギー発展は欧米諸国に大きく遅れをとっている。
このほど中露両国はエネルギー提携、特に石油供給と天然ガスのパイプライン建設の面で画期的な進展を実現し、さらに液化天然ガスの供給契約を結んだ。
世界格付け機関のフィッチは、「中露の一連の天然ガス・石油供給契約は、ロシア天然ガス大手・ガスプロムおよびロシア国営石油会社・ロスネフチにとって非常に有利な出来事だ。エネルギー輸出の多元化により、ロシアはエネルギー大国の地位をさらに固めることができる」と指摘した。独週刊誌フォークスは、「欧州は横っ面を張りつけられた」とした。
欧州はロシアの天然ガスの主要販売先であるが、双方はエネルギー問題を巡り深刻な対立に陥っている。しかしアナリストは、「ロシアが最も重視している顧客は、依然としてEUとその他の欧州諸国だ」と述べた。
■日本:メタンハイドレートでエネルギー自給を実現か?
米国は近い将来にエネルギー独立を実現できると言っており、これは白昼夢ではないが、日本というエネルギー面で安心感を得たことのない国家が、エネルギー独立のスローガンを叫ぶならば眉唾ものだ。しかしメタンハイドレートは、日本に大きな希望をもたらしている。
経済産業省はこのほど、メタンハイドレート(俗称は燃える氷)から天然ガスを取り出すことに成功したと発表した。海底の水化物を分解し天然ガスを採取したのは世界初のことだ。これを受け、日本によるメタンハイドレートという新エネルギーの開発が一歩前進した。日本側は、「エネルギー不足の日本にとって、メタンハイドレートは次世代国産燃料になり、日本の100年間の天然ガス需要を満たすだろう」としている。