サンテックパワー破産は政府主導の産業モデルへの警鐘
無錫市の中級人民法院(地裁)は20日、破産法に基づき、サンテックパワー(尚徳太陽能電力)の破産手続きを開始することを決定した。かつての太陽電池の模範が「過剰供給」の犠牲となって破産・再建へと追い込まれた。サンテックパワーのたどった運命は中国に警鐘を鳴らすものだ。産業の発展において政府は一体どのような役割を果たすべきなのかを考え直さなければならない。政府主導の産業発展モデルを見直さず、GDP至上の数値競争を変えなければ、「サンテックパワー危機」は特殊な事例に終わらないだろう。経済参考報が伝えた。
「過剰生産能力」は現在中国経済にとって最大の試練だ。構造的な過剰生産能力という難題を長年来解決できなかったうえ、世界金融危機・債務危機にも直面したことで、かつての「大量輸出入」という中国の経済循環は打ち破られた。こうした状況の下、周期的・構造的な二重の過剰生産能力が問題を一段と先鋭化させている。現在中国の製造業は平均して生産能力の28%近くが遊休状態で、生産能力の稼働率が75%以下という企業が35.5%に達する。鉄鋼、セメント、自動車、繊維など昔からの産業だけでなく、風力発電設備、多結晶シリコンといった一部新興産業も比較的深刻な「過剰生産能力」を抱えている。
概算統計によると全国156社の太陽電池生産能力は2011年で35GWを超え、2012年には生産能力が40GW、生産量が24GWに達した。欧州連合(EU)の報告では、2012年の世界の太陽電池生産能力は80GWで、その50%以上を中国が占めている。2011年以降、外需が大幅に縮小したことで太陽電池製品価格は急速に下落し、多結晶シリコン電池企業に赤字が広がった。中国非鉄金属工業協会シリコン分会の最新統計によると、中国の多結晶シリコン企業40社余りのうち上場企業6、7社以外はすでに全面的な生産停止状態にある。
世界の状況を見ると、新エネルギー市場の需要はすでに飽和状態だが、各国ともに限られた市場の中でシェア拡大を図っており、火花を散らし、貿易摩擦が激化することは不可避だ。さらに懸念されるのは、生産過剰が資源の浪費と非効果的な配置を招き、市場価格が大幅に下落し、マクロ効益状況が悪化し、一部企業が破産し、さらには銀行の不良債権の拡大といった一連の連鎖リスクを誘発することだ。