中日韓FTAとTPP 日本の二股がけは困難
中日韓自由貿易協定(FTA)交渉の初会合が26日に韓国の首都ソウルで行われた。中日韓は年内に3回会合を行う予定で、第2回は中国、第3回は日本で行われる。国際金融報が伝えた。
中日韓FTA交渉の背後にはTPPの影が長年常につきまとってきた。特に2009年に米国が参加したことでTPPの概念、範囲、戦略に本質的な変化が生じた。
■貿易の「二股作戦」に出た日本
TPPは米国の提唱する枠組みであるうえ、中国はその交渉に参加していない。このため経済的に中国を牽制する意図を持つこの協定は日本を歓迎すると同時に、各方面の敏感な神経を逆なでしている。日本の安倍晋三首相は米国と歩調を合わせてTPPを対中圧力の道具にする考えがあることを少しも隠していない。だがより実務的な観点から見ると、中米日という経済大国は独特なトライアングル構造であることが運命付けられている。
安倍首相が今月の訪米で伝えたTPP交渉参加決定のタイミングは、日本が現在貿易戦略の調整中であり、今後一定期間TPP交渉とFTA交渉を並行して進めることを示している。「現在日本は『両賭け』戦略をとるほかにない」と中国国際問題研究所世界経済・発展研究部の魏民副研究員は指摘した。
中国社会科学院日本研究所の厖中鵬氏は取材に「日本にとってTPPと中日韓FTAはどちらも容易に妥結できる交渉ではない」と述べた。