アニメを大産業にした日本 中国は経験と課題を参考に (2)
◆制作技術・市場開拓・融資・知的財産権の保護
経済のグローバル化と技術の急速な発展に伴い、日本アニメ産業は制作技術・市場開拓・融資制度・知的財産権の保護の面で、次の新たな特徴を見せている。
(一)アニメ制作、情報・通信技術を融合
1990年代、パソコンの普及とアニメ制作ソフトの開発に伴い、日本のアニメはデジタル化制作水準を大幅に引き上げた。
(二)二次利用市場の発展
アニメ作品は一次利用と二次利用という、二つの形態に分かれる。一次利用市場は主に、テレビ放送・映画公開によりアニメ創作の目的に達する。二次利用市場は、アニメ作品とアニメ産業チェーンにおけるアニメ編集、DVD制作、関連商品の開発を一体化し、アニメの開発利用を深化する。日本では現在、マンガ出版とアニメ制作のみに依存する一次利用市場において、すでに画期的な進展が実現できなくなっている。一方で二次利用市場はより多くの収入をもたらし、特にアニメ関連商品の売上高は高額にのぼる。アニメ作品の二次利用市場は、日本のアニメ産業に新たな活力をもたらすと言える。
(三)製作委員会、リスク分担のメカニズム
アニメ産業はハイリスクの産業だ。例えば、テレビ向けの21分間のアニメ作品は、100人が3カ月以上をかけて制作する必要がある。仮にアニメ作品が視聴者に受け入れられなければ、制作会社はコストを取り戻せず、さらには大量の負債を背負い込む可能性がある。1990年代になると、アニメ制作で分担するリスクを下げるため、日本で独創的な製作委員会方式が制定された。製作委員会方式のメリットはこうだ。(1)その他のアニメ制作会社に投資を行っている企業にとっては、一つのアニメ作品への投資額を大幅に減らすことで、より多くの作品に投資する選択の余地が残せる。(2)アニメ制作会社にとっては、制作の経費が工面しやすくなる。製作委員会方式の導入により、日本では近年独立局系アニメ作品が増加している。