上海自由貿易試験区 改革を新たな段階に (2)
中央政府の構想によると、上海自由貿易区の設立は、開放により改革を促す措置である。
張院長は、「自由貿易区内の企業は将来的に、海外に商品を輸出する際に、人民元建て決済を選択できるようになる。中国企業が海外から商品を輸入する場合、人民元により直接支払うことが可能で、資金の流入・流出が開放される。言い換えるならば、企業・法人は将来的に、自由貿易区内で人民元の自由兌換が可能になる」と予想した。
上海交通大学安泰経済・管理学院現代金融研究センターの潘英麗センター長は記者に対して、「自由貿易区は将来的に、海外資本の中国国内資本市場への投資額の上限、および投資家の市場参入に関する規制を徐々に緩和する。海外資本はより幅広く中国の資本市場に投資を行える(債券市場、株式市場、先物取引市場など)。同時にこれらの資本の撤退についても、規制を取り消すことになる」と語った。
自由貿易区はまた、さまざまな貿易の壁を徐々に取り消し、貿易自由港に近づいていく。上海保税区域協会の卞祖耀会長は、「上海自由貿易区は輸入商品に対してゼロ関税を適用する。通関制度もより簡略化され、現行の申請を先に済ませてから貿易区に入るという税関監督管理方式を改革し、積荷目録の事前申請の管理制度を制定し、先に貿易区に入ってから申請を行うことを許可する」と説明した。その他に投資の誘致および対外投資についても、上海自由貿易区はより「自由」な政策が適用され、自由貿易区内の国内外企業に対して、貿易区内の貿易の自由、人員の出入りの自由、貨物の出入りの自由、通貨流通の自由、貨物の保管の自由といった5大権益を与え、「ネガティブリスト」方式を模索する。張院長によると、いわゆる「ネガティブリスト」とは、原則として規制がない中で、例外的に開放されていない業界、もしくは規制を明確に伝える表を指し、このリストに記載されていない内容については、法律で禁止されていないことになる。
業界関係者は、「この調整からは、自由貿易区内で市場参入が開放され、外国企業が参入前内国民待遇の資格を得ることが分かる」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年8月23日