続くパナソニックの「ダイエット」 半導体工場売却 (2)
このたびの工場売却計画はパナソニックの「出血を止める」ための戦略調整の一歩であることは間違いない。パナソニックの2012年度財務報告によると、半導体業務の売上高は1840億円に上るが、損失も205億円に上った。
パナソニック関連部門の責任者によると、パナソニックは損失の出ている半導体業務を切り離すことで、今進めている一連の構造改革の方向性を基本的に確定するとともに、成長戦略の推進に主要なパワーを振り向けたい考えだという。
家電アナリストの劉歩塵氏の分析によると、パナソニックが損失の出ている業務を売却するのは賢明な選択であり、財務損失の引き続いての悪化を効果的にくい止めることができるという。
実際、パナソニックが資産を売りだしたのはこれが初めてのことではない。昨年から今年初めにかけて、オフィスビル数棟を売却して資金を調達し、財務状況を改善しており、今年3月には500億ドルで東京の中心部にあるビル1棟を売却した。
今年9月には、14年3月末に健康・医療機器メーカーのパナソニックヘルスケアの全株式を米国系私募ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却し、売却額は1650億円になることを明らかにした。また最近は13年度中にプラズマテレビの生産から撤退し、スマートフォン(多機能携帯電話)業務を縮小することを明らかにしている。
複数の業界アナリストが次のような見方を示す。パナソニックの資産売却は小休止に過ぎず、ピリオドが打たれたわけではない。パナソニックの資産の再編はこれからも続いていく。
▽モデル転換で産業化に回帰
パナソニックの一連の「ダイエット」の背後には、業務の多元化から産業化への回帰という目的があり、そこには市場からの圧力という要因もあれば、企業の戦略上の選択という要因もあることは容易にうかがえる。